2007
まだ元気のない弘美ちゃん。
姿が見えないと思って探してみると、誰もいない学習部屋で、ぽつんと一人座ってました。
「はー……」
ため息が絶えません。
パパの弘君は浮気者でも、やさしくて責任感のある人でした。
好きになった人を、絶対に悲しい目に合わせたりしなかったものです。喧嘩はよくしましたが。
ところが同じ浮気者でも、樹君にはやさしさとか責任感とかは感じられないのです。
学習部屋で物思いにふけった後は、談話室へ行って居眠り。
お疲れです。
脇のソファーでは、修太君が勉強してます。
(やっぱ、樹となんかあったのかなー。俺、樹に何か言った方がいいかなー)
いとことして、心配も絶えない修太。
イリーナちゃんは、ピアノにブーイング。
「一本指奏法なんて、なめんじゃないわよ!」
こわ……。
「どきなさい。ピアノはこうやって弾くものなの!」
さすがイリーナちゃん。
流れるような旋律が紡ぎだされます。
そういえば、弘美ちゃんもピアノは上手なんですよね。
こりゃ、いつか絶対音楽堂に行かなくちゃ。
さて弘美ちゃん。
あらら、泣いてる。
どうやらこの前の女の子を小突こうとして、返り討ちにあったようです。
本当に、皆樹君のせいですよ。
そこ!
のんきにパソコンゲームなんてやってる場合じゃないですよ!
「あーくそー。何で俺だけ悪者扱いなんだよ。ロマンス願望だから、しかたねぇっつーの」
ふてくされる樹君。
修太になんか言われた?
それでも、お調子者の樹君。
髪形を変えて心機一転、食堂のおばちゃんとおしゃべりです。
もしかして、食堂のおばちゃんも口説くつもりじゃ……。
「樹ー。その髪型うっとおしい」
樹君、一蹴!
「ぴっけー。いい子だね。樹君なんかと何おしゃべりしていたの?」
「ヒロミノイシアタマ! ジダイオクレ! ガンコモノ!」
「……」
またぴっけが悪い言葉覚えたよ……。
授業帰りを激写!
といっても、友達同士のハグなんですが。
この二人、最近なんかいい感じなんですよねー。
修太には、牛というお嫁さん候補がいたはずですが……。
樹君、また……。
こっちでもまた喧嘩。
圭君とランドリー・コーレイです。
「君の赤毛って素敵だな。思わず触りたくなっちゃうよ」
「あら、樹君も新しい髪形、素敵よ」
またしても圭君の勝利!
将軍になるために体を鍛えてるから、強いんですよね、彼。
食堂では弘美ちゃん、またこの女の子とやりあってました。
「樹君は私の彼氏なんだからね!」
「なんなのよ! もう!」
あーあ……、泣かしちゃった。
この先、樹君と弘美ちゃんはどうなることやら。
弘美ちゃん、新しい彼氏探そうよ。