2006
今日も気持ちのいい朝。
仕事に就いた。
外食業でファーストフードのオーナー。
料理が得意な私には、この職種が一番向いていそうだ。
仕事から帰ってきたら、まず一番に、ぱんだにごあいさつ。
ただいま、ぱんだ。
その後は、身内や数少ない友人達に電話をかけてすごす。
翌朝。
仕事は夕方からだから、昼の間に、またダウンタウンに出かけてみようか。
ダウンタウン。
今日は、いつかのブラインドデートの相手とデートすることにした。
池のほとりのカフェで、ごはんにする。
景色がきれいで、いかにもデート向きの場所だ。
私はライム風えびのたたきを注文し、彼、シドはベイクドアラスカを頼んだ。
甘いものが好きらしい。
「ところでシドさんは、どこにお住まいですか?」
「ブルーウォーター村です。静かできれいなところですよ。よかったら今度遊びに来てください」
食後。
だいぶ、いい雰囲気。
彼の望みを聞いてみた。
「僕犬を飼ってるんですよ。ボルソスってんですけど、こいつがお手を覚えてくれたらうれしいな」
どうやら彼の頭の中は、私よりも犬のことでいっぱいのようだ。
相当の犬好きらしい。
時間も遅くなってきたことだし、彼と別れて、カフェを後にした。
いい感じのデートだったと思う。
その後、私は一人で、「ラッキーシャック カード&ドリンク」へ向かった。
ダウンタウンのたいていのところは行きつくしている私だが、カードハウスだけには、まだあまり足を運んでいない。
私はゲームにはほとんど興味がない。
それが理由。
この前初めてここに来た時も、ゲームに誘われたのはいいが、負けまくってしまった。
なのになぜ私はまたここに来たんだろう。
そうだ。
ここはいろんな人が、よく集まるからだ。
私の上の兄が来ていた。
せっかくなので、一緒にゲームをする。
「兄さん、ここにはよく来るの?」
「うん。仕事を引退してから、自由な時間をもてあましちゃってねぇ。ここは時間をすごすのにいい場所だよ」
兄と会えたのはうれしいが、私はまたしても大負けしてしまった。
このゲーム台さえなければ、この店は私にとっていい店になるのに。
家に帰ってきたら、牛がいた。
いつの間に上がりこんだのだろう。
そしてその晩、シドがこっそりバラの花束を玄関先に持ってきてくれた。
こっそりといっても、私はしっかり目撃してしまったが。
あくまでも、彼はこっそりのつもりらしい。
私も見ない振りを決め込むことにした。
彼が帰った後、私は外の望遠鏡で星空を眺めた。
こう見えても、超常現象やSFには目がないのだ。
そして就寝。
私はこのまま、彼と付き合いを続けていけばいいのだろうか。
でも、まだ運命の人には出会っていない。
そんな気がする。