2007
真美ちゃんは、もうすこしダウンタウンを歩き回ることにしました。
水着のままで。
「いい服見つけちゃった。これ下さい」
「ありがとうございます」
と、店に入ってきたこの老婦人……。
「ちょっとあんた! なんてはしたない格好だい!!」
「え? ちょっと、何?」
ダウンタウンのヌシ、ミセス・クランプルボトムです。
「それに大体なんだい、その水着は! ほとんど裸じゃないかい! あんたの親がこれを知ったら、泣くよ!!」
怒涛のお説教。
「あーもー。着替えればいいんでしょ、着替えれば」
あわてて服を着替えた真美ちゃん。
たまらず店を逃げ出した真美ちゃん。
何の偶然か、親と出会ってしまいました。
かなた君です。
「大学卒業して、家に帰ってくると思ったんだけどなぁ。ママなんか、お前の部屋を新しくしてまで待っていたんだぞ」
「あーごめんごめん。でも私ももう、自立したかったのよぅ」
「最優等で卒業だもんなぁ。パパも驚いたよ」
「でしょ、でしょ?」
「で、今はどこに住んでるんだい?」
当然でありながらも、鋭い質問です。
「ああ。……家の近場に下宿先があったから、そこで暮らしてるの」
「家の近くに、そんな所あったかなぁ?」
その下宿先が、実家のお向かいだとか、家主が樹君だとか、そういうことはかなた君には絶対に隠さなければいけません。
「じゃあ、今度ママと一緒に、家主さんにご挨拶でも……」
「ええ!? いいよ。私だってもう一人前の女……じゃなくて、大人だもん! 携帯に電話くれれば、いつでもこっちから会いに行くしさ!」
色々問いたげなかなた君をなんとかかわし、とりあえず一緒にプリクラをとることで、その場をごまかしました。
「わぁ! そういえば、パパと写真撮ったのはじめてかも!」
そのころの樹君。
「……すごいメイクですね。新しいなぁ……」
「……ほんとにそう思う?」
女の人と会っていました。
失敗メイクのままでは口説くのに集中できないので、ドレッサーでメイクをちゃんとしてあげることにしました。
こんな感じ。
できれば服も取り替えたかったですね。
「素敵になったわ。ありがとう」
「いえいえどういたしまして」
ご褒美のキスを貰っていたら、手前で激しくダブルマイナスを出す人が。
お出かけから帰ってきていた、真美ちゃんです!
行動アイコンには「ムッとする」と。
これは恐らく、樹君が弘美ちゃんに浮気していると思っているからだと思います。
樹君に対する評価も、マイナスになってしまいました。
真美ちゃんの怒りを避けるため、別室に呼んで、いちゃつきなおしです。
「うふ」
そのころ、牛君が真美ちゃんへのプレゼントをこっそり届けにきていました。
(あー。まいったなぁ。真美がいると、色々やりにくいなぁ……)
そうですねぇ。困ったな。
とりあえず、真美ちゃんにはリビングでテレビを見てもらうことにしました。
しばらくそこから動かないでね。
真美ちゃんのことを気にしながらも、なんとかウフフに持ち込みました。
相手の女の人も、願望が叶ってますね。
この人、確か人妻なんですが……。
浮気願望でもあったのか。