2007
課題を指示したら、必ず春日ちゃんの机でやろうとする明君です。
君の机のすぐそばで指示したのに、何でわざわざここに来てやるんだ。
明君が春日ちゃんのあとを、ずっと付いて回っているのを見ているのもいい加減うざくなったので、デートさせることにしました。
もう三年生になりましたし、婚約してもいい頃です。
トイレでデートのお誘い。
「あれー? 二人でなに話してるのー?」
明るい感じで二人の隣をすり抜けて行った真鈴ちゃんですが……、
トイレを出た後で。
「……おいこら、ちょっと待て」
「この私を差し置いて、何他の女をデートに誘ってんのよ! このサルがぁ!」
「!!?」
バッチーン!!!!
真鈴ちゃん、怒りの平手打ちが炸裂。
そういえば、真鈴ちゃんはまだ明君に赤いハートを点灯させたままだったね。
しかしまあ、これでお互いに過去は清算されました。
春日ちゃんを一途に思い続ける彼には、かえっていい結果になったでしょう。
といううことで、痛む頬を冷やしつつ、明君たちが向かった先はダウンタウンのロンドステ。
高級レストランです。
「真鈴ちゃんって、怒ると怖いね」
「うん」
「頬、大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「で、ご注文のほうをお願いしますよ、お二人さん?」
夜の方がムードが出たのですが、二人の授業時間の兼ね合いもあるので、仕方がありません。
「春日ちゃん、今日は君にぜひ渡したいものがあるんだ」
「(どきっ) 何?」
「こ、これなんだけど……」
「わぉ!!」
「素敵! すごいかぎゃやきね!!」
「う、受け取ってくれるかな……?」
春日ちゃん、舌噛んでますよ。
「もっちろん!」
あ、箱は要らないのね。
「見て見て、明君。とってもよく似合ってるわ!」
「気に入ってもらえてよかったー」
日が暮れて、テーブルのロウソクも灯りました。
婚約を祝って、二人で乾杯です。
「大学を卒業したら、すぐに結婚しようね」
「うん! パパもママもこれを聞いたら、きっと喜ぶわ」
食事のあとは、ナイトクラブに行って、二人で記念写真を撮りました。
そしてもちろん、写真機は別の目的にも利用しました。
集まる野次馬。
「ひょっほー! 若いのう!!」
またルカ爺さんが。
出現率高いな。
キスをして、今日のデートは終了です。
卒業したら、春日ちゃんは明君の実家に嫁ぐことになります。
遅れてやってきた野次馬二人。
お姉さん方、もう春日ちゃん達は帰りましたよ。
「あーくそー。一足遅かったかー」
寮に帰って、午前五時。
期末試験です。
試験、だんだんまともな時間になってきましたね。