2007
樹君、寮の女の子と世間話。
その話題は……。
麻美ちゃんのことですか?
ハートを一杯飛ばしてます。
と、女の子のほうもハートを一杯飛ばしてました。
好かれているようですね、弘美ちゃんのママ麻美ちゃん。
「こう天気いいとさー。課題なんて投げ出して、外へ遊びに行きたくなっちゃうよねー」
弘美ちゃんは朝食。
樹君、今度は別の女の子と会話中。
相手の望みを聞いてみました。
「コーレイを口説く」
おや、樹君。
この子はもう好きな人がいるみたいですよ。
恐れを聞いてみました。
「弘との恋が冷める」
すでに恋してましたか。
この女の子。
樹君、それでもこの子を狙うつもりです。
それがロマンス願望の定め。
はい、この通り。
ちょっと魅了したら、淡い恋心が来ました!
一方イリーナちゃん。
授業から帰るなり、植木の手入れを始めました。
「こんなに伸び放題になってるのに、何で誰も剪定しないのよ! ったく、うざいわねっ」
きれい好きなイリーナ様。
手入れが終わったら、黙々と課題を消化。
優等生の鏡かもしれません。
弘美ちゃんは昼ごはん。
あ、食堂のおばちゃん、またくさった食事をくばったな……。
夜は皆でテレビです。
一人だけ真ん中で勉強してますが。
翌日は朝っぱらから喧嘩。
またこの二人、ブーイ・ジャスミナとランドリー・コーレイです。
本当に仲が悪いな!
「ジャスミナ! がんばれ!」
「が、がんばれ!」
当然のように女の子を応援する樹君と、とりあえず応援してみる圭君。
何気に二人、シンクロしてます。
しかし、応援するくらいなら加勢してあげなさいよ。
ジャスミナは女の子なんですよ。
あーあ。
あたりまえというかなんというか、ジャスミナが負けました。
さて樹君。
またまた別の女の子とおしゃべりです。
恐れを聞いてみました。
「圭に口説く行為を拒否される」
ええー!?
この子、圭君が好きなのか?
嫌いなものを聞いてみました。
「あんた筋肉質! だめ! 生理的にだめ!」
樹君しょんぼり。
身体のスキルをあげるのに、相当体を鍛えちゃったもんね。
弘美ちゃんはのんびりと学期を消化中。
でも、せっかく大学に入ったんだから、なにかしないと、ねえ?
と、樹君が弘美ちゃんに話しかけてきました。
「弘美ちゃんさあ、キスしたことある?」
「ええー! きす? したことないに決まってるじゃない!」
「ふつー、ティーンで経験済みなんじゃないの?」
「そ、そういうもんなの?」
「なんなら、俺と今してみる?」
ええ!?
あっ!
「い、いまのが……? (ドキドキ)」
弘美ちゃん、そんな簡単にファーストキスをあげちゃって。
もったいない……。
しかも弘美ちゃんだけに、淡い恋心がきてるし。
「ファーストキスって、やっぱり胸がキューンとなるよなー」
「う、うんうん……!」
樹君の手管に簡単にはまった弘美ちゃん。
パパの弘君が今この場にいたら、樹君は絞められちゃいそうです。
そして、火がついたのは弘美ちゃんのハートだけではありませんでした。
食堂のキッチンにも火がつきました。
火事だーーーっ!!
「私のママはね、超一流のロマンス願望なのよ。父親の違う子供を三組も持ってるんだから」
弘美ちゃん、ママのことを話している場合ではないですよ。
ていうか、自慢するような内容ですかい。
「あー。でも、ファーストキスしといてよかったー。このままキスもせずに、大学を卒業するかもしれないところだったもんね」
よかったのかなぁ。
とはいえ、この寮の中で一番まともな男子は樹君だけな気がしますね。
他にはあのランドリー・コーレイと短パンとおかっぱくらいだもんね。
キスをするなら、樹君が一番まし……かもしれない。