2007
皆成績も合格ラインに足りて、時間ができたので……、
お出かけすることにしました。
寮にばかりいてもつまらないからね。
向かった先はなんとかレジャーランド。
ここには小さなコンサートスペースがあるんです。
楽器は音楽堂にもあるけど、あそこのコンサートホールはピアノがないですからね。
早速皆でセッション開始。
創作スキルはそこそこあるので、ちゃんとした音楽になっています。
修太君はお腹をすかせていたので、外のコンロでお昼を焼いてもらいました。
軽薄な樹君も、楽器を持つとなんとなくかっこよく見えます。
女の子のドラマーって言うのもなかなかかっこいいですね。
イリーナちゃん、ノッてます。
弘美ちゃんも、小さい頃から鍛えたピアノの腕で参加。
しかしなんといっても、本職は圭君。
プロ級の腕前です。
お腹がすいていたこの二人は、ちょっとお休みして昼ごはん。
出来立てアツアツのタコスです。
いい具合に焼けました。
そしてまた演奏。
弘美ちゃんは授業で抜けてしまいましたが。
げ、ストリーキングの人が来た!
「お前頼むから、俺達の音楽で踊るなよ!」
見たくもないものを見せ付けられた樹君。
切れ気味です。
さて、おひねりは集まったかな?
「おー、札まで入ってるぞ」
大もうけのようです。
ここ、通行人も多いしね。
圭君もおおもうけ。
でも多分一番うれしかったのは、財産願望の修太君でしょう。
今日はここいらで引き上げることにしましょうか。
さて、寮に帰ってきて。
「演奏、楽しかったね、樹君」
「ああ、そうだな」
今日のお出かけのおかげか、二人の間のとげとげした雰囲気もやわらいだよう。
と、せっかくいい雰囲気になっていたのに、喧嘩勃発!
「なんだとてめー! このやろう!」
「だまれ! このいかれポンチ!」
「それ、いつの時代の言葉だよ!」
毎度おなじみランドリー・コーレイと圭君です。
「二人ともー、やめなよー」
とりあえずも圭君を応援する弘美ちゃんと樹君。
ところが、二人の応援むなしく圭君敗北。
「ちくしょう……!」
「けっ!」
寮の外は騒がしいので、部屋の中に入った二人。
「今日の樹君のベース、上手だったよー」
「そうか? 俺、あんまり楽器触ったことねかったんだけど」
おっ!
弘美ちゃんに淡い恋心が戻ってきました。
これでもとの木阿弥……じゃなくて、元のサヤに戻ったということでしょうか。
「そうだ、樹君。肩こってない? 揉んであげようか。私うまいのよ」
「え? そう? 悪いねー」
とんとんとん
弘美ちゃんはバリバリの家族願望。
好きになった相手には、とことんまで尽くすタイプのようです。
ロマンス願望にとってはちょっと息苦しい、家族願望の愛情。
で、さっき喧嘩に負けた圭君ですが。
一人で悔し泣きしてました。
ご愁傷様……。
「ぴっけー、私、樹君と仲直りしたよー」
「シタヨー!」
早速ぴっけにご報告。
無邪気な弘美ちゃんなのでした。