2006
深夜三時。
マックス、粗相をする。
しーこここ……
「こら、マックス! 家の中でおしっこしちゃだめだろ」
お父さんをたたき起こして、しつけをしてもらいました。
しつけのタイミングは逃したくないですものね。
特に、おしっこのしつけは。
さて、その三時間後。
「すみませーん。なんか熱っぽくってですね、風邪を引いたようなので……」
「あー、はい。お休みさせていただきますー」
お父さん、仕事をずる休みです。
そのあと、マックスのおしっこの始末をして……、
ブランコでひとしきり遊んだら、
「それじゃあ、そろそろ出かけようか」
家族でお出かけです。
今日は土曜日。
学校はお休みです。
俊介さん、この家族サービスのために、今日は仕事を休んだのです。
さて、まずやってきたのは洋服屋さん。
数日後には十代に成長する真鈴ちゃんと花梨ちゃんのために、服を購入です。
おや、裕也君も服を見てます。
おしゃれですね。
花梨ちゃんは、試着ですか?
「お姫様みたいですのー!」
豪華なレースの寝巻きです。
でも、もう買っちゃったのよ、服は。
服を買ったら、今度は皆でお食事です。
「パブねもす」へ到着するなり、喧嘩を始める二人。
「裕也のばーかばーか」
「なんだよーう!」
「パブねもす」
オーナーが年をとったために売りに出され、今では公共施設となっている小さなレストランです。
河内家は五人の大所帯なので、席は二つに分かれて座ることになりました。
「何でも好きなもの頼んでいいからな」
お父さん、子供達には甘いです。
が、料理を運んできたウエイター。
「あっ!」
俊介さん、災難です。
さて、料理が来ました。
おや、裕也君と俊介さんが同じものを頼んでる。
やっぱり親子ですね。
そして、お母さんは一人で豪華なフライドチキン。
で、こっちの二人は……。
お、本当に好きなものを頼んだな。
二人とも、いきなりデザートですかい。
食後、トイレに集う河内家の人々。
朝から出かけて、まだ一度もトイレにいってないんですよね。
みんなの便意ゲージが真っ赤です。
「お父さん、早くしてよ!」
「いや、そんなにじっと見られてると出るものも出ないって」
裕也君、外で待ちなさい。
「自分のお皿は自分で下げますの」
あ、花梨ちゃんが自主的にお皿を片付けてます。
そんなの店員さんに任せなさいよう。
きれい好きな花梨ちゃん。
その頃の店内。
なぜか入ってきた野良犬三匹のために、こんなことに……。
「あたしが先なの!」
「違うもん! 僕が先だもん!」
トイレの順番をめぐってまた喧嘩する二人。
しかし。
(俊介さん……。お願い。早く出て……)
お母さんが誰にも先駆けて緊急事態です。
「汚いお皿がたくさんありますの」
ああ!
だから花梨ちゃん、そこまでやらなくてもいいってば!
さて、お母さん。
どうにかトイレから出て一息ついたところで、野良犬に店中を追い掛け回されます。
「がうがう!」
「なんなのよ~。この犬~」
だんだんすさまじいことになってきた。
「あたしが先って言ったでしょ!」
「僕が先だもん!」
またやってるよ、こいつら。
いい加減にしなさい。
レストランでひと騒ぎあったものの、皆無事にトイレに行って、お家に帰ってきました。
誰ももらさなくてよかったです。
「あー、面白かったー」
お出かけで疲れた真鈴ちゃん、帰るなり買ってきたばかりのパジャマに着替えてお昼寝です。
「お休みですのー」
ほとんど子供達の新しい寝巻きのために、お出かけしたようなもんです。
「お姉ちゃんのばか……!」
裕也君もお休みです。
そしてお父さん、お疲れ様でした。
って、なんの夢見てるんですか! あなたは。