2007
真治君がスプリンクラーにいたずらして、水浸しになった部屋ですが……。
エルちゃんが見つけて掃除をしてくれました。
「誰よこれ」
「さあ」
隆志君は最初に水溜りを見つけたはずなのに、ソファーに横になったまま。
何もしてくれませんでした。
「ふう、やっと終わった」
エルちゃんは綺麗好きだからな。
ご苦労様です。
朝の食堂。
たまたま真鈴ちゃんと明君、二人だけになったので……
口説いてみました。
「ハイスクールのときは、一緒にデートしたことあったよねー」
「うん。まあね」
もともと社交的な明君ですが、こんな風に女の子に迫られると、口数が少なくなってしまいます。
赤いハートが出ました。
(俺ってもしかして、もてたりするのかなぁ)
真鈴ちゃん、これで二人目の恋人ゲットです。
「あ、花梨。ふふー。私やってやったわ。これで二人目よ」
「私も負けていられませんの」
姉妹で恋人の数を競い合うなんて。
で、真鈴ちゃんに口説かれた明君ですが、彼にはどうやら気になる女性が他にいるようで。
それは春日ちゃん。
気がつけば、明君は春日ちゃんにつきまとってます。
(なにーこの人。人の日記を覗き込んだりして!)
黙って立ってるだけだから、なおさらこわいね。
お昼ごはん。
「今日は午後から曇るらしいよ。ところでさ、今日花梨と会話した? 花梨てっけっこう男の子に目がないから、気をつけたほうがいいわよ」
「!?」
「変なこというなよー。マカロニを喉につまらせたじゃないか」
さりげなく、真治君を使って花梨ちゃんをけん制する真鈴ちゃんです。
エルちゃんが夕ご飯を食べていると、なぜか寮の男子二人がわざわざ彼女の食卓に集まってきました。
やっぱり、かわいい子とご飯が食べたいんだな。
それにしても、この二人、もうちょっとどうにかならないんでしょうか。花がなさすぎ。
とくに右側の。
メイクや髪型は、鏡台を使えば変更させられるんですが……。
こいつはどんなにメイクを駆使しても、服がすべてをぶち壊しにしてしまいます。
服は変更できないからなぁ……。
「あなた、私に何か用?」
明君、まだ春日ちゃんにつきまとってる……。
気をつけてね、明君。春日ちゃんはかなりの気難し屋だから。
真鈴ちゃん、次の恋人候補を探してますが。
隆志君はダメみたいですね。
やっぱり、寮の外で見つけてくるしかないかなぁ。
花梨ちゃんも、あたりを見渡して、相性のいい相手を探します。
すると、明君が光って……、
あっ。
でも、一番輝いて見えたのは、ちょうど部屋に入ってきた真治君でした。
さすが本命。
そして深夜2時。
学期末試験でたたき起こされる寮生達。
どういう大学だ。
みんなちゃんと勉強していたので、最優等で合格しました。
これで一年生前期は終了です。