2007
天気のいい日。
今日はブルーウォーター村で、待ち合わせの花梨ちゃんです。
お相手はこの人。
なんとか三世・フランシス・J
苗字がどうしても思い出せません。
「花梨ちゃん、待たせたかい?」
「いいんですのー。私、フランシス君が来るまでいつまでも待つつもりでしたの」
「あはは。そう言ってもらえると、うれしいなぁ」
にやり……
今日はこの間のレポートのお礼もかねて、デートです。
ちょっとほのめかしてみたら、すぐに赤いハートが点灯。
「フランシス君の髪型って素敵ですの」
「そ、そうかな」
そして坊ちゃんのファーストキスも……、
いただきです。
またレポートを頼むかもしれないので、その日に備えて、手なずけておくと何かと便利。
そういう心積もりです。
悪女ですから。
しばし二人で公園を散歩。
「いい天気だねぇ」
「お散歩日和ですの」
おなかが空いてきたので、場所を移動することに。
そこの二人、道路の真ん中でいちゃついていたら、ひき殺されますよ!
やってきたのは同じブルーウォーター村の、国際レストラン。
早速席に着こうと支配人を待っていると……。
なにやら二人の背後に気配が。
「うわあ。あそこにいるのは、甥の真治と付き合ってる花梨ちゃんとかじゃないか。ほ、他の男とデートなんかしてるよー!?」
また、お前か、素直君!
この人はよく、身内の恋人の浮気現場に居合わせますね。
「私のお母さん、引っ越してきたときはお料理が下手で、大変だったんですの」
「ふ~ん(Bカップかな。Cまではいかないかな……)」
どこを見ているんだ、坊ちゃん。
素直君も、さっきからダブルマイナスを出しまくっては、目を覆ってこぶしを握りしめてます。
「それでね……。ねぇ、聞いてますの?」
「う、うん」
坊ちゃん、さっきからメニューばかり見ては盛んにオムレツのフキダシを出しています。
そんなにオムレツが食いたいなら、ちゃんと注文してあげますよ。
素直君も、さっきからしつこい。
ずっと見てないで、他所に行ってくれよ!
花梨ちゃんも坊ちゃんに合わせて、オムレツを頼みました。
「食べさせてあげますのー。はい、あ~ん」
「僕達、まるで新婚さんみたいだね」
そういう坊ちゃんの願望には、「花梨と婚約する」が出ておりました。
大して花梨ちゃんの恐れには「フランシスと婚約する」が。
なるほどね。
二人のデートは、もう少しだけ続きます。