2007
花梨ちゃん、彼氏の真治君をサトル君とセットで呼びました。
「花梨、会いたかったんですのー」
「えへへ。僕もだよ」
若い二人。
お互いのことしか見えていないみたいです。
今日はサトル君と真治君の双子と、真鈴ちゃんと花梨ちゃんでダブルデートです。
お父さんの車を借りて、
「しゅっぱーつ!」
やってきたのはここ。
名前は忘れてしまいましたが、一階にダンスホールがあって、二階にレストランがあるところです。
まずはお昼ご飯。
真治君が席の手前の方に座ってしまったので、サトル君が奥に座れなくなってしまいました。
なので、三人でご飯。
それぞれ好きなものを注文しました。
花梨ちゃんはロブスター。
真鈴ちゃんはサーモン。
真治君はフライドチキン。
高いものばかり選んだなー。
「双子ってさー、夜見る夢も同じだったりするー?」
真鈴ちゃん、横、横!
「えい!」
ぺちゃ!
花梨ちゃんが、ロブスターを投げました。
「うへー。冷たーい!」
「お姉ちゃんの顔!」
「あははっ。油断した!」
本当は、花梨ちゃんと真治君でこれをやりたかったのだけど、真治君、斜め向かいに座っちゃったからねぇ。
「うしし」
真鈴ちゃん仕返し。
花梨ちゃんが向こうを向いた隙に……。
「てや!」
ぺちゃ!
「ひゃーっ!」
「同じ手に引っかかってしまいましたの!」
ほっぺに突いたサーモンを指でなめる花梨ちゃん。
この「食べ物を投げる」っての、実際にやったら喧嘩になっちゃいますよねぇ。日本では。
「ねえ……。まだ?」
待ちくたびれたサトル君がやってきました。
もう少し待ってね。
お上品な花梨ちゃんは、食べるのが激遅です。
お食事の後は、一階のダンスホールにやってきました。
さあ、皆でスマッスル!
皆一緒に、
「ワォワォワォ!」
「ヤーヤーヤー!」
通りすがりの、真治君たちの叔父さんも混ざってきました!
あっち向いて……。
「わぉ!」
(俺、腹減ってるんだけどな……)
真治君のせいでくいっぱぐれたサトル君。
どうでもいいけど、このダンスホール、他に人がいないのか?
なんか寂れてるなぁ。
「ひょーお!」
真鈴ちゃん、すごい顔つき。
(あれれ? 振りを間違えてしまいましたの!)
花梨ちゃんは周りをきょろきょろ。
「ヒューヒューヒュー!」
とまあこんな風に、皆で同じ動きをするスマッスル。
馬鹿っぽいけど、なかなか楽しいです。
ひとしきり踊った後は、こちらにやってきました。
「ラッキーシャック・カード&ドリンク」
ちょっぴり大人の雰囲気のお店です。
カラオケがあったので、ふたりでデュエット。
どっちもかなり下手!
でも、かわいい。
(腹減ったな……)
サトル君、すきっ腹をジュースでごまかします。
ごめんよ。もうちょっと待っておくれ。
花梨ちゃんたちがデュエットしてたら、真鈴ちゃんが代われ代われとうるさいので。
真鈴ちゃん、一人で熱唱。
「ミンナイチャイチャシテルシー!」
遊んでいるうちに日が暮れて。
サトル君お待ちかね。
ファミレスで夕ご飯です。
今度は四人全員座れました。
半日断食していたサトル君も、しっかり食べてくださいね。
「今日は楽しかったなー」
「真治の歌、へったくそだったぞー」
「真鈴ちゃんのもひどかったよなー」
「大学に行ったら、海外旅行とかもしてみたいですの!」
「それいいかもねー」
それまで、この仲良しが続いていたらね。
ロマンス願望の真鈴ちゃんと花梨ちゃんにはちょっと難しいことなのかも。