2007
お父さんが、仕事の同僚と称して、圭君を連れて帰りました。
さっそくブランコで遊ぶ圭君。
お父さんといい、軍隊関係の人は、ブランコ好きだったりするんでしょうか。
そして、お母さん。
背中押してあげるのはいいけど、その格好だけはやめて。
とりあえず、服を着替えさせて夕食を用意してもらうことにしました。
お客さんもいることだし、今夜はちょっと豪華に。
魚料理ですね。
塩コショウして……、
さあ、焼きましょう……えっ!?
フライパンが炎に包まれてますよ!?
「きゃあああ! 火事よー!!」
「あーっ! これは大変だわ!」
こんなときはまず落ち着かなくては。
火災報知機をつけているので、じきに消防車が来るはず。
「お魚が焦げちゃうわー!!」
なぜか火の中の魚を救出しようとする真里恵さん。
「だめぇっ! 火が強くて近づけないっ!!」
近づかなくていいったら!
そこへようやく消防車が到着。
颯爽と飛び降りる消防隊員。
一方の台所。
真里恵さんがおろおろしている間に、外にいた圭君が飛び込んできました。
「奥さん! 何がありましたか!?」
「うっわー! 火だぁーーー!!」
「なんだなんだ」
俊介さんもやってきました。
「二人とも、どうにかしてくださいな!」
「「だめだ! 火が強くて近づけない!!」」
シンクロする二人。
「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」
「み、水はどこだ……!」
「あちちっ」
役に立たないよ! この男ども!
やっとこさ消防士さんが到着!
「邪魔だからどいてくださいっ!」
「火がっ、火がっ!」
無事に鎮火。
真里恵さんたちも鎮火。
「いやー。すごい火だったなぁ」
「危ないところだったなぁ」
抱き合ってお互いの無事を喜び合う二人。
お前ら、一体何なんだ。
「次からは、気をつけてくださいね!」
注意の言葉とともに、消防士さんは去っていきました。
火事のことは何も知らない子供達。
焦げたお魚を食します。
「お母さん、ちょっと火力が強すぎたんじゃないのー」
「お母さん、がんばったんだけどね……」
「苦い……」
と、火事の一件ですっかり忘れていました!
裕也君が成長です!
「おぉっし! 大きくなったぜぃ!」
そういえば、幼児から子供に成長するときも、誕生祝い忘れていましたね。
その後家族と一緒に夕食を食べ始めるも、睡魔にノックアウトされてこのとおり。
誰も起こしてやらないんですか!
「はっ!?」
君はもしかしたら一生こういう運命かもしれないね……。
誰もいなくなった食卓。
片付ける人……いないんですか?
翌朝。
すっきり目覚めた裕也君。
鏡の前でおめかし。
「おお!? この角度、男前ー!」
「みんな! おはよっす!!」
女の子向けの挨拶の練習。
「うーん……?」
力こぶ、出てないから……。
髪形を変えてみました。
おお? うってかわって、ミステリアスな美少年風じゃありませんか。
そして成長した裕也君。
まず一番にやったことといえば、
喧嘩。
「くぉのっ!」
「ぶっ!」
当然相手は真鈴お姉ちゃん。
「弟の癖に生意気だっちゅーの!」
「なんだとー! このーっ!!」
どかすかどかすか
「どうだ! まいったか!」
「うっそー」
なんと、真鈴ちゃんが負けました。
「これに懲りたら、もう僕を馬鹿にするなよっ」
ティーンに成長して、やっと真鈴ちゃんと対等になった裕也君です。
でも喧嘩はたいがいにしてよ。
家庭内暴力になっちゃうからね。
「ううっ。くやしいっ」
弟に負ける屈辱。
意外とこたえるものです。
いつかこのうらみ晴らしてやるぞと、心に誓う真鈴ちゃんなのでした。