2007
「皆乗った? それじゃあ出発よ!」
今日は麻美ちゃん、子供達全員を誘って、お食事です。
こうして子供達全員を集めるのは、初めてのことなのかもしれません。
弘美ちゃんが生まれたときにはもう、他の子供達は成人して独立してましたからね。
弘美ちゃんも、兄弟全部と仲がよいわけではありません。
小さい頃に会ったことがあるだけで、それからほとんど口を利いていない兄弟もいるのです。
今回の外出は、麻美ちゃんだけではなく弘美ちゃんのためでもあるのです。
「私、ちゃんとおしゃべりしたのって、麻緒お姉ちゃんとくらいかなぁ」
麻緒ちゃんは、同じ父親を持つ姉妹ですもんね。
麻美ちゃんの子供達には、後二人の男の子がいます。
長男の素直君と次男の麻耶君。
ともに父親の違う異父兄弟です。
麻美ちゃんのこれまでの人生については、前サイト「平和な日常」を参照のこと。
あ……。
サボ恵が来てる。
偶然?
さて、皆席に着きました。
麻美ちゃんはシェフサラダが食べたいようですが。
ごめんね。もう皆にフィレステーキを頼んじゃったよ。
四人のかわいい子供達に囲まれた麻美ちゃん。
奥が素直君。手前が麻耶君。
麻耶君、今日は珍しく笑顔ですね。
こちらが麻緒ちゃん。
弘美ちゃんの、血を分けた実の姉。
そして、弘美ちゃん。
麻美ちゃんの人生もいろいろありましたが、立派に育った四人の子供達に囲まれて、こうして食事が出来るのはとても誇らしいことです。
さあ、ステーキが来ました。
「さすがロンドステ! いい肉使ってる! はぐはぐ」
「このソースがまたいい! がつがつ」
「おいしい! もがもが」
「がふがふ」
麻緒ちゃん以外全員犬食いかよ!
さすが、この母にしてこの子供達。
いきなり料理に手をつけてしまいましたが、これを忘れちゃいけません。
せっかく家族みんなが集まったんだから。
さあ、長子麻緒ちゃん、音頭をとって。
「私たちの大好きなママに……」
「私のかわいい子供達に……」
「「 乾杯! 」」
なんだか皆……、
同じ顔して飲むんですね。
同じ血を引いてるからかなぁ。
なぜか麻緒ちゃんだけマイナスを出す。
なんで!?
虫の居所が悪いんでしょうか。
彼女も本当なら犬食いをするはずなのですが、終始こんな風にお行儀よく食べていました。
高級な店だから、緊張してるのか。
ところで圭志君。
一緒に座りたいなら、座ってもいいんだよ。
そんなところにじっと立ってないでさ。
「お料理おいしかったねー」
「また皆で食べに行きたいわね」
「行こう行こう!」
お食事を終えて、みんなで帰宅。
お家に帰ったら、弘美ちゃんのパパのお墓の前で記念写真をパチリ。
ちょっとおどけていいお顔。
むむっ、負けずにこっちもいいお顔!
さて、弘美ちゃん。
ちょっと気が早いですが、彼女のために麻美ちゃんが買ったウエディングドレスを試着してみました。
今日は特別です。
「似合ってる?」
「とっても似合ってるわよ、弘美!」
この子が本当にお嫁に行ってしまう日まで、時間があればいいのに……。
口には出さないけれど、そっとそう思う麻美ちゃん。
弘美ちゃん、本当にきれいです。
せっかくだから、いとこの聖司君に今の姿をしっかり残してもらいました。
「お嫁に行ったときに描けばいいと思うけど。これが最初で最後なんてことにならなきゃいいけどねー」
「大丈夫! 私はちゃんとお嫁にいけますっ!」