2007
先日のホームパーティーで親族に紹介されたミナマさんと、姪の美央ちゃんの結婚式に招待された。
また、子供達はお留守番。
夜の結婚式も、ロマンチックな感じで素敵だ。
参列者席最後尾にあるお墓から、何か霊気を感じます。
ミナマさんのお母さんとお婆さんのお墓らしい。
夜に結婚式を挙げたのも、このお二人が化けて参列できるようにと気を配ったからのようだ。
変わった趣向だ。
誓いのキス。
拍手の嵐。
翔兄さんは感無量と言ったところ。
しかし参列者のみんなの頭の中は、なぜか雑念だらけ。
こっちも雑念ばかり。
あ、ちゃんと花嫁さんのことを考えてる人もいました。
よかった。
未央ちゃん、きれい。
いつの間にこんなに大きくなっちゃったんだろう。
新郎さんがケーキカット。
ちゃんとフォークで食べさせてあげます。
何事も抜かりのない翔兄さん。
招待客の中に、ちゃっかりサーボロボも入れていた。
何も言わなくても、お皿を下げてくれたりと、とても便利。
お祝いのケーキが、参列者にも配られた。
ダイニングは大賑わい。
先日のホームパーティのときより人が集まっているみたい。
親族がひとつのところに集まっているのを見ると、本当に幸せ。
勇樹さん、また楽器に飛びついた。
家にもピアノを置いてみようか。
ギター、ドラム、ピアノも入った。
俄仕立てのバンドで、カントリーを演奏。
こちらは枕たたきで白熱中。
透兄さん、息子嫁ととっても仲がよくて、甥はヤキモチを焼くほどだ。
親族が集まるのこんなにうれしいのは、私が物心ついたときには四人の姉と兄はもう家を出ていて、両親と三人暮らしだったせいかな。
パーティーの終わり、新郎新婦を迎えにリムジンが来た。
「未央ー。車が着たわよー」
姪夫婦はこれから新婚旅行に出発。
二人の幸せを祈りつつ、私達もそろそろ帰ろう。
2007
皆成績も合格ラインに足りて、時間ができたので……、
お出かけすることにしました。
寮にばかりいてもつまらないからね。
向かった先はなんとかレジャーランド。
ここには小さなコンサートスペースがあるんです。
楽器は音楽堂にもあるけど、あそこのコンサートホールはピアノがないですからね。
早速皆でセッション開始。
創作スキルはそこそこあるので、ちゃんとした音楽になっています。
修太君はお腹をすかせていたので、外のコンロでお昼を焼いてもらいました。
軽薄な樹君も、楽器を持つとなんとなくかっこよく見えます。
女の子のドラマーって言うのもなかなかかっこいいですね。
イリーナちゃん、ノッてます。
弘美ちゃんも、小さい頃から鍛えたピアノの腕で参加。
しかしなんといっても、本職は圭君。
プロ級の腕前です。
お腹がすいていたこの二人は、ちょっとお休みして昼ごはん。
出来立てアツアツのタコスです。
いい具合に焼けました。
そしてまた演奏。
弘美ちゃんは授業で抜けてしまいましたが。
げ、ストリーキングの人が来た!
「お前頼むから、俺達の音楽で踊るなよ!」
見たくもないものを見せ付けられた樹君。
切れ気味です。
さて、おひねりは集まったかな?
「おー、札まで入ってるぞ」
大もうけのようです。
ここ、通行人も多いしね。
圭君もおおもうけ。
でも多分一番うれしかったのは、財産願望の修太君でしょう。
今日はここいらで引き上げることにしましょうか。
さて、寮に帰ってきて。
「演奏、楽しかったね、樹君」
「ああ、そうだな」
今日のお出かけのおかげか、二人の間のとげとげした雰囲気もやわらいだよう。
と、せっかくいい雰囲気になっていたのに、喧嘩勃発!
「なんだとてめー! このやろう!」
「だまれ! このいかれポンチ!」
「それ、いつの時代の言葉だよ!」
毎度おなじみランドリー・コーレイと圭君です。
「二人ともー、やめなよー」
とりあえずも圭君を応援する弘美ちゃんと樹君。
ところが、二人の応援むなしく圭君敗北。
「ちくしょう……!」
「けっ!」
寮の外は騒がしいので、部屋の中に入った二人。
「今日の樹君のベース、上手だったよー」
「そうか? 俺、あんまり楽器触ったことねかったんだけど」
おっ!
弘美ちゃんに淡い恋心が戻ってきました。
これでもとの木阿弥……じゃなくて、元のサヤに戻ったということでしょうか。
「そうだ、樹君。肩こってない? 揉んであげようか。私うまいのよ」
「え? そう? 悪いねー」
とんとんとん
弘美ちゃんはバリバリの家族願望。
好きになった相手には、とことんまで尽くすタイプのようです。
ロマンス願望にとってはちょっと息苦しい、家族願望の愛情。
で、さっき喧嘩に負けた圭君ですが。
一人で悔し泣きしてました。
ご愁傷様……。
「ぴっけー、私、樹君と仲直りしたよー」
「シタヨー!」
早速ぴっけにご報告。
無邪気な弘美ちゃんなのでした。
2007
気がつけば、ランドリー・コーレイはいつも喧嘩の渦中にいます。
今回の相手は、あのブーイ・ジャスミナ。
ほんとによくやるよ、君達も。
そして、この男二人は妙に仲がよくて心配です。
おかっぱが金髪にハートを飛ばしてますが、恋が芽生えちゃったりとかしないんですかねぇ。
さて、昨日は樹君と仲直りした弘美ちゃん。
気持ちも晴れ晴れと、ぴっけを連れて、寮の中をお散歩です。
「ぴっけも鳥かごの中ばっかりじゃ、退屈するもんねー」
圭君は、よせばいいのに、ブーイ・ジャスミナにいたずら。
「みなさーん。今のおなら、この人でしたよー」
「ちょっと! ちーがーうー!」
圭君、また敵を増やすつもりですか?
「ぐっふっふ。圭の奴、やりおるのぅ」
お父さんにはバカ受けでした。
さあ、とうとう皆も三年生です。
卒業まであと二年間、がんばりましょうね。
弘美ちゃんは、これまで最優等の成績を維持し続けています。
この調子!
「修太君も最優等をキープし続けてるんだよね。すごいよねー」
「まあな。次のレポートを誰にやらせたらいいかとか、この科目の課題をやらせるのは誰がいいとか、見極めが難しいけどな」
ああそうか。
弘美ちゃんも修太君も、レポートは人任せだった……。
ちっとは自分でやろうや。
「で、何でこの私が、朝っぱらからあんたににやけた顔をみて、朝ごはんを食べなきゃいけないのよ!」
「しかたないじゃん。ここの席が空いてたんだから」
イリーナちゃんと樹君、何気に不仲です。
朝食を終えた樹君、さっそく食堂のおばちゃんと話し始めたと思ったら……。
淡い恋心が来ました!
樹君、まさか食堂のおばちゃんも落とすつもりなのか。
相変わらずいたずら好きの圭君。
友達相手にもいたずら。
「あーはっはっは! おかしー!!」
「いひひひひひひっ!」
仲のいい相手にいたずらすると、友好度はマイナスにならないんですね。
ちなみにこの直後、圭君は水風船をお返しに食らいましたが。
弘美ちゃんは……。
「今期くらい、レポートはちゃんと自分でやらなきゃねー」
どうやら、人任せはいけないことに気がついたようです。
えらい。
といっても、それが普通なんでしょうが。
樹君は相変わらず。
この子で寮の女の子は皆、樹君の手に落ちました。
2007
樹君、とうとう女の子を自分の部屋に呼ぶことに成功しました。
散々樹君を嫌っていた、赤毛の女の子です。
で、いよいよここからが正念場……というときに……。
あっ!
「樹……また……!」
こっちでも……。
寮の女子一同、足音も荒く、樹君の部屋に集結!
「こ~ら~、い~つ~き~……っ!!!」
「ひいっ!?」
「これはどーいうことよ!」
「どーいうことって……。何で分かるわけ!?」
「問答無用!」
バッシーン
平手打ち炸裂。
第一弾。
「くおら、この」
平手打ち、順番待ち……。
「食らえっ!」
びしっびし
平手打ち、第二弾。
さらにチョップが炸裂。
頭に刺さってますがな。
こうして、駆けつけた女の子達にもれなく平手打ちをくらった樹君。
ようやく女の子達から開放されて、一人ぴっけに愚痴る。
「なんで、あいつら分かったんだよ……」
女のカンって奴でしょう。
時間も遅かったので、今日はそのまま一人寝床にもぐります。
樹君、今日の一件で、寮の女の子達を敵に回したことになります。
明日からどうなることやら。
2007
樹君の二度目の浮気が盛大に発覚した翌日。
弘美ちゃん、昨日の夜のことを思い出してはこんな顔をしています。
「樹君……、どうしてあんななんだろう」
「もう樹君なんか、知りません!」
弘美ちゃん、きっぱり。
「なんだよ、それ……」
この寮で樹君に残された女の子といえば、もう食堂のおばちゃんくらいしかいません。
「おばちゃん、今日は一段ときれいだね!」
「そうかしら。別に普段と変わらないと思うけど」
どんなことがあってもめげずに女子を口説く彼は、ロマンス願望の鏡なのかもしれません。
それにしても、樹君は本当にへこんでないのか。
すれ違う二人。
「つーん」
「ふーんだ」
樹君に怒っているのは、弘美ちゃんだけではありません。
他の女の子達もこのとおり。
樹君、下手に寮の中をうろつくと、いつ喧嘩を吹っかけられてもおかしくない状況に。
「樹のあの性格、どうにかならないものかしらね」
「樹はあんなだからな。更生させるのも苦労すると思うぜ」
先ほどの二人がなにやら心配していることなど、露知らず。
とりあえず、しばらくはおとなしくしていようと、本でも読む樹君。
「ぴっけ、お散歩しようか。誰かいい人いないのかなー。ほんと」
まだ一度も男の子とデートしたことない弘美ちゃん。
大学にいる間に、一回でもいいからデート出来たらいいんですけどね。
と、散歩をしていたら、またまた喧嘩です。
圭君とランドリー・コーレイ。
どうやら、今回は圭君が襲い掛かったようです。
血の気が多いな。
「どうだ! 思い知ったか!」
「いてー」
圭君が勝ちました。
さて、樹君の一件もあり、寮では落ち着けない五人組。
授業の合間に、またまたお出かけしました。
場所はダウンタウンのプール&スパ。
健康ランドみたいなところか。
早速プールに入ることにしました。
「わー、あったけー」
「温水プールだわ」
結構深そうですね。
弘美ちゃんも水着に着替えて……。
ほらほら、そんな顔するなって!
まだ樹君のことに怒っているのか、顔が怖いです。
「私、泳ぐのあんまり得意じゃないんだよー」
とか何とか言いながら、プールに入る弘美ちゃん。
ここ、飛び込み台はないんですね。
残念。
「久々に泳ぐかもしれないわね。気持ちいいわ」
「ここで泳いでると、嫌なこともみーんな忘れられるな!」
いや、君は忘れちゃいかんと思う。
「プールよかさー、あっちで遊ばない?」
あっち?
遊び好きの圭君が見つけたものはこれ。
エレクトリックダンスボール。
「へへへ。一回やってみたかったんだよな」
ぎゅいーんぎゅいーん
激しく回っています。
「うひゃーっ」
幸い振り落とされることはありませんでしたが、乗り終わっても星が頭の周りを回ってました。
「あー、頭がぐりぐりするー!」