2007
「オムツ替えて、お尻キレイキレイしましょうねー」
弘美ちゃん、夢にまで見た我が子のお世話です。
家族願望の彼女にとって、子供の世話は幸せそのもの。
仕事についていたのも、出産を機会にやめました。
これからは、子供が大きくなるまで専業主婦です。
「よしよし」
弘美ちゃん、子供の世話はいいから、早く服を着なさいって。
朝っぱらから下着姿のままです。
服を着替えて、遥ちゃんを寝かしつけます。
「ああー。もう一人くらい子供がいてもいいかなー。遥にも弟か妹がいると、一緒に遊べるし」
「僕の仕事は真夜中で日中は家にいるから、弘美ちゃんが仕事をやめることないと思うけど」
「私、自分で子供の世話をずっとしていたいの」
「そうよね。分かるわ」
「遥ー。ただいまー」
かなた君も、初めてのわが子にメロメロのようです。
仕事が忙しいので、子供の世話は弘美ちゃんにまかせっきりですが。
その日の晩。
出ました。透君の幽霊です。
麻美ちゃんも出てきました。
詩織さんまで!?
今夜は幽霊が多いですね。
娘の夢枕に立つ麻美ちゃん。
(孫が生まれたー!)
「うーんうーん。なんか寝苦しいよぉ」
麻美ちゃん、そこどいてあげなさいって。
一方の透君は、自分のベッドを見つけて大喜び。
幽霊って、自分のベッドがあるとわざわざ見に行きますよね。
ベッドがないと、「私のベッドはどこ!?」って騒ぎますし。
幽霊とベッドの不思議な関係。
「昨日の晩は、よく眠れなかった……」
麻美ちゃんのせいですよ。
そんな弘美ちゃんに、
「あらっ?」
第二子が宿りました。
おめでとう。
「かなたさん、私、妊娠したよ」
弘美ちゃんのパートナーは夢の中。
夜が明けてから、報告しましょ。
女かな、男かな。
楽しみです。
2007
おなかが大きくなった弘美ちゃんです。
「でもどうしようかな。この子が生まれたら、ベビーベッド置くところがないかも」
そうですね。今の家はそこそこ広いけど、住んでる家族が多いから、部屋数が足りないんですよね。
遥ちゃんのベビーベッドも、居間に置いてますし。
「ふぎゃ……」
あ、遥ちゃんから緑の煙。
「はいはい。オムツ替えましょうねー」
「きゃー!」
空飛ぶオムツ。
遥ちゃんを寝かしつけたら、ピアノの練習。
実は弘美ちゃん、どうしても考えたくないことが頭にあるのです。
それは樹君のこと。
図らずも浮気をしたことになって、心中穏やかではありません。
こうしてピアノでも弾いていないと、やりきれないのです。
(はあ……。私、どうしちゃったんだろう。一番好きなのは、かなたさんなのに)
難しいところです。
そんな弘美ちゃんの心は知らず、かなた君は仕事から帰ってきてすぐに、天体望遠鏡を覗いて遊び始めました。
そんなかなた君の後ろに忍び寄る、弘君の幽霊。
弘君、何か思うところがあったのでしょうか。
「お化けだぞー!」
「ぎゃっ!!」
娘婿を驚かす。
(俺の弘美をちゃんとかまってやらない奴は、こうだぞ!)
弘君、娘を心配している割には悪い顔してます。
いたずら好きな性格だったっけか。
翌朝。
出勤前に、遥ちゃんにミルクを飲ませるかなた君の姿がありました。
「弘美はおなかが大きくて大変だろうから、家にいる間は僕が遥の面倒を見るよ」
「うれしいわ……」
かなた君に後ろめたい気持ちのある弘美ちゃん。
「でも、無理しないでね」
「うん」
このあと、かなた君お迎えの車が来て、遥ちゃんを床に放置して出勤していきました。
ちゃんとベビーベッドに入れてほしかった……。
「あ、イリーナちゃん? 私、弘美よ。二人目の子供が生まれることになったの。そっちの赤ちゃんの方はどう? もうお話できるようになったのね」
大学時代の友人に電話して、気を紛らわします。
妊婦は欲求パラメーターが下がりやすく、精神的にも肉体的にも不安定な状態。
そこに樹君のことが加わってきてるんですから、弘美ちゃんも大変です。
そんな今日は、遥ちゃんの誕生日。
身内や友人を呼んで、パーティーを開きました。
「遥ちゃん、おめでとーう!」
ぶーぶーギリギリギリ
呼んだのは友達のイリーナちゃんと、弘美ちゃんの姉と兄達。
あとはかなた君が仕事先からつれて帰ってきた同僚です。
「さーあ、遥。ロウソクふーしようねー!」
「ぱぷー」
遥ちゃん、ケーキよりも麻緒伯母さんのことが気になっているようですよ。
ろうそくを吹き消すと同時に、熱狂から冷める人々。
温度差激しいな。
遥ちゃん成長!
か、髪の毛がないっ!?
鏡で外見を変えました。
うん、かわいいかわいい。
遥ちゃんは、やっぱりお父さん似でしたね。
2007
幼児に成長した遥ちゃん。
ウサギのおもちゃで早速遊んでます。
そのときの二階では。
「う、生まれる~っ!!」
「おはよう弘美。賑やかだね。もう朝?」
かなた君、そんな間近であいさつの手を振ってる場合じゃありませんよ!
ぽこーんと生まれて出てきたのは、かわいい女の子!
やったー! 次の看板娘が生まれたわ。
弘美ちゃんのママにちなんで、「真美」と命名。
この子も、かなた君似なのかなぁ。
弥生ちゃんもやってきて、ガッツポーズ。
「弘美お姉さん、グッジョブ」
弘美ちゃんの出産で、みんな真夜中に起こされちゃったようですね。
夜が明けました。
遥ちゃん、おまるの練習中。
神妙な表情がかわいいですね。
弘美ちゃんは、二度の出産でたるんだおなかを引き締めるためにトレーニング。
仕事が休みのかなた君には、遥ちゃんの言葉のお稽古をしてもらいました。
「パパって言ってごらん。パーパ」
「あうー」
「パパー」
「おお! ちゃんと言えたなー。えらいぞ!」
その調子その調子。
弘美ちゃん、夜には聖司君に手伝ってもらってトレーニング続行です。
弘美ちゃんの生涯願望を、「キャプテンヒーローになる」に変えたので、身体スキルが必要になったんですよね。
「六人の子供を結婚させる」よりも、実現できる確率がずっと高くなりました。
この晩も弘君が出ました。
幸い誰も驚かしませんでした。
幽霊に驚かされるとショック死しちゃうときもあるらしいので、ころあいを見てお墓を公共区に移した方がよさそうですね。
でも、麻美ちゃん達の幽霊が見れなくなっちゃうのは寂しいしなぁ。
「ほーら、おいちいねー」
初めての娘です。
「ああ、この子も大きくなったら結婚しちゃうんだよなぁ」
複雑な父親の心境。
でも、今から心配することないと思いますが。
「さー、お風呂にはいろーねー」
「あっちっちー」
「大丈夫。熱くないよ」
弘美ちゃんも、軽くなった体で遥ちゃんのお世話。
遥ちゃん、この表情。
いい湯加減みたいですね。
真美ちゃん出産後、すぐに「赤ちゃんが出来る」願望を出した弘美ちゃん。
まだ子供がほしいの?
「……樹君……」
……えっ!?
2007
真治君がスプリンクラーにいたずらして、水浸しになった部屋ですが……。
エルちゃんが見つけて掃除をしてくれました。
「誰よこれ」
「さあ」
隆志君は最初に水溜りを見つけたはずなのに、ソファーに横になったまま。
何もしてくれませんでした。
「ふう、やっと終わった」
エルちゃんは綺麗好きだからな。
ご苦労様です。
朝の食堂。
たまたま真鈴ちゃんと明君、二人だけになったので……
口説いてみました。
「ハイスクールのときは、一緒にデートしたことあったよねー」
「うん。まあね」
もともと社交的な明君ですが、こんな風に女の子に迫られると、口数が少なくなってしまいます。
赤いハートが出ました。
(俺ってもしかして、もてたりするのかなぁ)
真鈴ちゃん、これで二人目の恋人ゲットです。
「あ、花梨。ふふー。私やってやったわ。これで二人目よ」
「私も負けていられませんの」
姉妹で恋人の数を競い合うなんて。
で、真鈴ちゃんに口説かれた明君ですが、彼にはどうやら気になる女性が他にいるようで。
それは春日ちゃん。
気がつけば、明君は春日ちゃんにつきまとってます。
(なにーこの人。人の日記を覗き込んだりして!)
黙って立ってるだけだから、なおさらこわいね。
お昼ごはん。
「今日は午後から曇るらしいよ。ところでさ、今日花梨と会話した? 花梨てっけっこう男の子に目がないから、気をつけたほうがいいわよ」
「!?」
「変なこというなよー。マカロニを喉につまらせたじゃないか」
さりげなく、真治君を使って花梨ちゃんをけん制する真鈴ちゃんです。
エルちゃんが夕ご飯を食べていると、なぜか寮の男子二人がわざわざ彼女の食卓に集まってきました。
やっぱり、かわいい子とご飯が食べたいんだな。
それにしても、この二人、もうちょっとどうにかならないんでしょうか。花がなさすぎ。
とくに右側の。
メイクや髪型は、鏡台を使えば変更させられるんですが……。
こいつはどんなにメイクを駆使しても、服がすべてをぶち壊しにしてしまいます。
服は変更できないからなぁ……。
「あなた、私に何か用?」
明君、まだ春日ちゃんにつきまとってる……。
気をつけてね、明君。春日ちゃんはかなりの気難し屋だから。
真鈴ちゃん、次の恋人候補を探してますが。
隆志君はダメみたいですね。
やっぱり、寮の外で見つけてくるしかないかなぁ。
花梨ちゃんも、あたりを見渡して、相性のいい相手を探します。
すると、明君が光って……、
あっ。
でも、一番輝いて見えたのは、ちょうど部屋に入ってきた真治君でした。
さすが本命。
そして深夜2時。
学期末試験でたたき起こされる寮生達。
どういう大学だ。
みんなちゃんと勉強していたので、最優等で合格しました。
これで一年生前期は終了です。
2007
一年生後期が始まりました。
「ねえねえ。私のレポート、やってくれませんこと? やってくれたらキスしてあげますの」
「もちろんやるよ!」
河内姉妹、どんどん本性を現してきてますね……。
奨学金がたくさん入ったので、これを買いました。
高い望遠鏡。
隆志君には、これで思う存分星空を観察してもらおうと思います。
さらには楽器も買いました。
置き場所がないんで、廊下にさらしてますが。
さて、レポートを人に頼んだ花梨ちゃん。
ステレオの音楽に合わせて、体操中。
テレビのエクササイズ番組で運動するより、こっちの方が楽しそうですね。
他の面々は自力でレポート。
知識願望が多いので、たいていの子は自力でやってくれます。
そういえば、今期は家族願望がいなかったな。
楽しさ願望の真治君は、レポートさぼって早速楽器に飛びつきました。
ぱろんぺろんぽろん……
恐ろしく下手ですが。
体操していた花梨ちゃんの隣に、寮の男子Aがやってきて……。
「たのしそうだね。僕も混ぜてー」
一緒に踊りだしました。
なんかいいな、こいつ。
花梨ちゃんの笑顔は引きつってるようにも見えますが。
おや、真治君も楽器にひきつけられましたか。
とっても気持ちよさそうにひいてますが、
一本指でそこまで気持ちよくひける、あなたが分からない。
双子達が思う存分雑音をかき鳴らした後に、おもむろに隆志君がやってきました。
「あの双子、芸術的センスは皆無だな」
流暢な指さばきでピアノを奏でる隆志君。
なんか、かっこいいですよ。
そんな双子ですが、無謀なことにこんなことを言い出しました。
「俺らのじいちゃんって、バンドやってたんだろ。俺達もバンドやってみね?」
「メンバーはどうするんだ」
「隆志、あのメガネで意外と楽器うまいし、誘おうか。あと一人はどうする?」
「誰でもいいんじゃね? 俺達より楽器下手な奴って、この寮の中にはそうそういないっしょ」
君達、創作スキル0ってことは、自覚はしてるんだね。
日が暮れたら、隆志君には早速……。
彼は今財産願望なんですが、あとで知識願望に変えてあげようと思います。
じゃないと、かわいそうだからね。
ピアノの次はギターに向かったサトル君。
ノリにノッてますが、やっぱりへたくそ。
べんべんぽろりん
帽子の彼女も、
ぼーんぼーんべろん
サトル君と一緒に何かの曲を演奏しているらしいのですが、あまりに下手すぎて、旋律を聞き取るのは不可能です。
そんなギターとベースに、突如加わるプロ級のピアノ。
誰が寮にいれたんですか、このじいさん。
キャンパス二期生OBのファルク君ですね。
卒業生だから来たのかな。
真鈴ちゃんですが、新しい恋人探しといっても、本命のサトル君を放っておくわけにはいきません。
今日は二人でデートでもしようと思ったのですが……。
サトル君が快諾してくれるなり、真鈴ちゃん、すさまじく得意げな顔をした。
この勝ち誇ったような顔、嫌な女だな。
と、そこへ。
「この浮気者ー!!」
天誅か。
明君に見つかってしまったようです!
バッシーン!
怒りの平手打ちが炸裂。
これは痛い。
「なに? なんなのよ」
目が回って、しばし状況がつかめてない真鈴ちゃんですが……、
いったん立ち直ると、これ。
「何すんのよ、このサル!」
こわ。
後ろのサトル君はなんともいえない表情。
バチバチバチ!
真鈴ちゃん、仕返しの往復ビンタ。
「むっふっふ……」
真鈴ちゃんに逆らうと、こうなるのです。
その間、サトル君はずっと放置。
彼は恋人の二股に何を思うか。
強気な行動を見せた真鈴ちゃんでしたが、明君が去った後に涙。
「ぐすん……。あのサル。サルのくせにぃ~!」
それより、後ろのサトル君をかまってあげようよ。
買った望遠鏡ですが、昼間も活用されてます。
覗きに。
エルちゃん、あなた覗きをするような子だったんですか!
どこかの豪邸を覗いているようですね。
大理石の置物が見えてます。
望遠鏡の持ち主隆志君も当然、覗く。
「うわ! やべーもん見ちゃったよ」
メガネキャラですが、全然そういうキャラではありません。
それより、郵便受けの旗が立ってますね。
隆志君に手紙を見てもらいましょう。
そう思って、手紙をとるよう指示すると……。
郵便受けからかわいらしいピンクの手紙が出てきました。
「うわー、もしかしなくてもラブレターじゃん。ん~、いい匂い」
「僕って罪な男だな~。記念にもらっとこ」
って、おいー!
それお前に来た手紙じゃないから!!
恐らく、さっきデートしてたサトル君が、真鈴ちゃんに宛てた手紙だと思うのですが!
ちなみに春日ちゃん。
自宅にピアノとギターが置いてあったので、かなりうまいです。
双子達のバンドのメンバーになっても、いいかもしれません。
サトル君は相変わらず一本指。
少しは上達してくれ。
一方の明君。
真鈴ちゃんと喧嘩してから、ますます春日ちゃんにべったりになりました。
春日ちゃんのギターを聞いて、べた褒めです。
「すごいなー。プロみたいだよ!」
拍手拍手拍手。
ハートもいっぱい飛ばしてます。
どうする? いっそ、口説いちゃう?