2007
朝からプールは大人気。
それでこそ設置した甲斐があるというものです。
プールのおかげか、皆体型は健康的。
この間の真鈴ちゃんのデートのお相手が、バラを届けに来てくれました。
彼の名はスカイラーかと思っていたんですが、どうも違うようでした。
マーセルだったかもしれませんが、どうも記憶が不確かです。
NPCの名前なんか、全部覚えられるかい。
夜に忍び足でやってきた、ウォーシントン三世・フランシス・J.君。
花梨ちゃんが電話で呼んだのですが、こいつはどうも逢引に誘われたと勘違いしているようです。
「ありがとう。実はまた、レポートをやってほしいんですの。フランシス君じゃなきゃだめなんですの」
「えっ? あ、そうなの? レポートね……」
よろしく。
元スカイラー君がまだ家の外をうろうろしていたので、捕まえて鏡の前に立たせました。
髪型とメイクをちょっといじってみました。
すると、なかなかの好青年にみえるじゃありませんか。
短パンだけどね。
服を変更することは出来ないんですよね。
残念です。
「あー……。花梨ちゃん、人使い荒いなぁ」
まさか君の口からそんなことが聞けるとはね、坊ちゃん。
ちょうどその頃、階下では。
「……」
「いきなりなんだよ、気持ちワリィ!」
サトル君が真治君を「親しみをもって抱擁」しようとしたようです。
サトル君は性格が優しいので、割とフレンドリーな行動が目立つのですが。
一方の真治君は、ちょっと気難しい性格。
友好度は長期短期ともに100なんですが、性格が災いして拒否してしまったようです。
照れ屋さんってことなんですかねぇ。
気を取り直して、皆で夕ご飯。
真鈴ちゃんがいませんが、これだけのメンバーが一度に食卓に集まるのは珍しいです。
なので、記念に写真を。
あ……。
「!? 私、今……??」
早くベッドに入った方がよさそうだね。
翌朝。
明君は目覚めたら、一番に春日ちゃんの部屋にやってきます。
そして、ベッドの上に飾ってある絵を批評する。
おかしいくらいに毎朝そうなので、本当は春日ちゃんの寝顔を見に来ただけなんだろ、とかんぐってしまいます。
明君、完全に春日ちゃんのストーカー。
さて、牛です。
牛がやってきました。
牛、牛、牛。
ラマ、ラマ。
大量に来襲。
ついでにやってきた、ゾンビとゾンビ牛。
実はこれ皆、サトル君のお友達です。
ただでさえトラブルメーカの牛。
それを大量に呼んだら、きっと何かが起こる! そう期待して。
ええ。大学中の牛とラマとゾンビを引っかき集めましたよ。
ゾンビ牛……。
首は大丈夫か。肩に顔がめり込んでるぞ。
居間ではさっそくラマと牛が何かをしでかしたようです。
そういえば、すごく仲の悪い牛とラマがいたんですが、これがその犬猿の仲の二人なのでしょうか。
牛は皆同じ着ぐるみを着ているので、見た目で個体は識別できません。
ラマはユニフォームの色で識別できますけどね。
ちなみに招待客の内約は、ラマが三頭、牛がゾンビ牛と合わせて四頭、ゾンビが一体です。
え……。
この牛、もしかして全部のラマと仲が悪かったりする?
ラマ二頭に攻められる牛。
後ろで仲間が見ていますが、助けに入ろうとはしません。
攻められてる牛、もう一方の牛にハートたくさん飛ばしているのにね。
攻められている牛は中身がメス。
見ているほうは中身がオスのようでした。
おい、本格的にやばいぞ牛!
ゾンビまできてるし。
「最近野良犬が増えたらしいねー。ほら、見て見て」
「飼い主が無責任だから、もー」
仲間の牛は、テレビを観賞中。
仲間がそばにいながら、孤立無援のメス牛。
牛に仲間意識はないようです。
他の牛は、二階でピアノを演奏中。
うまいです。
NPCのくせに、これはかなりスキルが高いと見た。
チアガールもいつの間にかあがりこんでます。
呼んだ覚えはないんですが。
「だから何なのさ、アンタ達」
「……」
「……」
しつこく付け回されてる牛。
無言で立たれると、怖いですね。
牛とラマズがこう着状態に陥ったので、助け舟。
みんなを昼食に呼ぶことにしました。
続々と集まってきましたね。
おなかが空いていたんだな。
食卓がほぼ全席埋まりました。
大勢でお昼ご飯って、なんだか楽しいですね。
ゾンビ君、君も食べたら?
ちゃんと一皿君のためにとってあるんだよ。
彼の名前はウォロセンコ・クヌート。
プレイヤーの出来心でゾンビにされてしまった、哀れな元NPCです。
ゾンビ牛と並んで、大学のいい名物にはなったけどね。
パーティーはもうちょっとだけ続きます。
2007
食事を終えた牛。
どうやらギターが入るようです。
ピアノのほうは、招待した直後からずっと弾いてるなぁ。
「お前の友達は動物ばっかかよ……」
「え? ゾンビもいるよ」
「そうじゃなくて……」
なにせ人数が多いので、昼食第二弾を作ってもらいます。
牛ゾンビの汚い食べ方に嗚咽するエルちゃん。
牛ゾンビだけは歩き方で他の牛と区別できます。
あと顔アイコンも、首が傾いてるのですぐに分かります。
ラマがラマにハート飛ばしてる……。
どうやら奥にいる青いユニフォームのラマに対してのようです。
ラマの中身は全員男なんだけどな。
もしかしてこのラマ、そっちのケがあるのか。
あ、このラマ、チアガールと同じユニフォームだ。
どうやら男のチアリーダー、イコール、ラマのようですね。
牛三頭のコラボ。
ドラムも牛で入ってくれれば完璧なのですが。
せっかく四頭いるんだしね。
プールに見知らぬ男が浮いていました。
どうやら、ラマの中身のようです。
ラマが二頭しか見えませんでしたから。
結局ドラムにはチアガールが入りました。
ピアノとドラム、かなりの凄腕です。
残りは……、てんでダメですね。
ゾンビ、衛生値がやばくなってご帰宅の様子。
ずいぶん長居してくれましたね。
楽しかったよ。
夜も遅くなってきて、ラマや牛たちもぽつぽつ』帰り始めました。
牛がたくさん来た割には、平穏に過ぎましたね。
ちゃんとスプリンクラーも設置して待っていたのにな。
どうやら、絶大な吸引力を誇る楽器類に吸い寄せられたせいですね。
食事以外、ほとんど誰かが楽器を弾いてましたもんね。
あ、ラマがまだ一頭残ってた。
ついでに、ルカ爺さんもまた勝手に上がりこんできてるし。
そんなこんなで、今回はなかなか楽しい集まりになりました。
面白かったので、またちょくちょく招待しようと思います。
2007
課題を指示したら、必ず春日ちゃんの机でやろうとする明君です。
君の机のすぐそばで指示したのに、何でわざわざここに来てやるんだ。
明君が春日ちゃんのあとを、ずっと付いて回っているのを見ているのもいい加減うざくなったので、デートさせることにしました。
もう三年生になりましたし、婚約してもいい頃です。
トイレでデートのお誘い。
「あれー? 二人でなに話してるのー?」
明るい感じで二人の隣をすり抜けて行った真鈴ちゃんですが……、
トイレを出た後で。
「……おいこら、ちょっと待て」
「この私を差し置いて、何他の女をデートに誘ってんのよ! このサルがぁ!」
「!!?」
バッチーン!!!!
真鈴ちゃん、怒りの平手打ちが炸裂。
そういえば、真鈴ちゃんはまだ明君に赤いハートを点灯させたままだったね。
しかしまあ、これでお互いに過去は清算されました。
春日ちゃんを一途に思い続ける彼には、かえっていい結果になったでしょう。
といううことで、痛む頬を冷やしつつ、明君たちが向かった先はダウンタウンのロンドステ。
高級レストランです。
「真鈴ちゃんって、怒ると怖いね」
「うん」
「頬、大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「で、ご注文のほうをお願いしますよ、お二人さん?」
夜の方がムードが出たのですが、二人の授業時間の兼ね合いもあるので、仕方がありません。
「春日ちゃん、今日は君にぜひ渡したいものがあるんだ」
「(どきっ) 何?」
「こ、これなんだけど……」
「わぉ!!」
「素敵! すごいかぎゃやきね!!」
「う、受け取ってくれるかな……?」
春日ちゃん、舌噛んでますよ。
「もっちろん!」
あ、箱は要らないのね。
「見て見て、明君。とってもよく似合ってるわ!」
「気に入ってもらえてよかったー」
日が暮れて、テーブルのロウソクも灯りました。
婚約を祝って、二人で乾杯です。
「大学を卒業したら、すぐに結婚しようね」
「うん! パパもママもこれを聞いたら、きっと喜ぶわ」
食事のあとは、ナイトクラブに行って、二人で記念写真を撮りました。
そしてもちろん、写真機は別の目的にも利用しました。
集まる野次馬。
「ひょっほー! 若いのう!!」
またルカ爺さんが。
出現率高いな。
キスをして、今日のデートは終了です。
卒業したら、春日ちゃんは明君の実家に嫁ぐことになります。
遅れてやってきた野次馬二人。
お姉さん方、もう春日ちゃん達は帰りましたよ。
「あーくそー。一足遅かったかー」
寮に帰って、午前五時。
期末試験です。
試験、だんだんまともな時間になってきましたね。
2007
「シャワー壊したのどこのどいつよー!!」
鬼の形相で修理するエルちゃん。
快活が低いと、こんな乱暴な修理の仕方になるんでしょうか。
ガンガンガン(レンチを打ちつける音)
「キー!! マジむかつく!」
「オラー、はよ直らんかい!!」
ゲシゲシゲシ!
以上、エルちゃんの面白顔でした。
四年生の前期が始まりました。
真鈴ちゃん、早速友達をご招待。
「ウェルカーム! いらっしゃーい!!」
もちろん、浮気相手の一人として電話で仲良くなった間柄なのですが。
まずは、
「レポートやって。お願ーい。お礼になんかおごるからさ」
「そんならいいよ」
本当にそれでいいのか?
ありがたいことです。
ってこいつ、鼻低いなー。
真鈴ちゃんも彼を呼ぶ。
「グッナーイ!」
「またレポートをお願いしたいんですの!」
「ははは。そんなに頼られるなんて、僕も光栄だな」
いつもありがとうございます。
坊ちゃん。
ある日、体操おじさんが来襲。
でもこの家の学生は、皆プールで泳ぎまくってるから、贅肉なんてひとかけらもつけてませんよ。
しかしおじさん、食事中の真鈴ちゃんに、
「気合じゃー!! たるんどーる!!!」
「お前もじゃー! 若造!!」
サトル君にも。
「な、何で俺がこんなこと……」
おじさんに体操を強要されるサトル君。
これ以上ないくらいの健康体なのにね。
言いたい事だけ言って帰って行く体操おじさん。
もうこないでください。
暇だったのでまたこいつらを呼びました。
その場にいるだけで、なんだか楽しいですね。
またあの牛は、ラマ二頭に迫られてますが。
皆で夕ご飯。
人が多いほど食卓は楽し。
「いらっしゃーいですのー!」
花梨ちゃんが、また友達を家に呼びました。
彼は前の寮にいた、さえない男子のうちの一人、P・J君です。
Tシャツのプリントが彼のトレードマーク。
今晩彼を家に呼んだのは、レポートのためではなくて、イメージチェンジのため。
こんなふうに、顔の形はそこそこ整ってるんですよね。
髪型とメイクを変えてみると……、
はい。
前より、少しばかりかわいい感じに仕上がりました。
まあ、どんなに顔を変えたところで、服はあのひどいTシャツなんですけどね。
また折を見て、少しずつ大学の男子学生達をイメージチェンジしていけたらと思います。
2007
「それじゃあ、そろそろ皆で合わせてみようか」
全員の創作スキルがある程度上がったので、セッション開始です。
四年生にして、初めてです。
メンバーは隆志君、春日ちゃんに、サトル君真治君の双子。
全員、キャンパス一期生の三世達です。
いつの間にこんなに時間がたっていたんだろう。
プレイヤーにはちょっと感慨深い。
あ、おひねりが入りました。
ありがとう。
一番スキルあげに苦労したのはサトル君でした。
ラマや牛に電話かけまくるのに、結構時間をとられましたからね。
「いいじゃん、いいじゃん?」
卒業したあかつきには、キャンパスの音楽ホールで一曲やってみるのもいいかもしれませんね。
レビューが今までちょっとゆっくり気味だったので、さくさく行きます。
四年生後期。
例によって、このスカイラーだかパーセルだかマーセルだかにレポートを書かせているのは、
真鈴ちゃん。
人にやらせることにいったん味をしめると、もう自分でやるのはばかばかしくなっちゃいます。
花梨ちゃんも当然、この人にレポートを頼む。
もうすっかり花梨ちゃんのというよりは、プレイヤーのお気に入りです。
って、頼んだはずなのに。
坊ちゃん、指示を無視して勝手にお昼ご飯を。
まあいいか。たまにはお昼ご飯くらい。
これまでは、レポートやったらすぐに疲れて帰っていたもんね。
ある晩、台所で突如喧嘩。
渦中にいるのは……、
真鈴ちゃんとエルちゃん。
ああ、ついにやってしまったか。
「シャワーもろくに使えないお子様並みの野郎がー!!」
「うっさい! くどくど説教ばかりのおせっかいばばあが!!」
「きーーーーーっ!」
「がーーーーーっ!」
もう見ちゃおれませんな。
決着がつきました。
「へっへーんだ。私に勝とうなんて、百億年早いのよ!」
「く、くそう……」
エルちゃん、喧嘩に負けたのが相当悔しかったのか、その後も思い出しては涙にくれておりました。
「ううっ。この私があんなだらしない女に負けるなんて。正義はどこに行ったの?」
「はぁぁぁぁぁ……」
魂まで吐き出さんばかりのため息。
「ちくしょー、あんどりゃぁ。覚えとけよ……」
こわいこわい。
そんなこんなで、あっという間に後期試験終了。
全員卒業です!