2007
またまた、この人が訪ねて来ました。
ある意味で牛より始末の悪い、アンドリュー教授です。
教授、この間の続きとばかりに、結衣ちゃんを小突きました。
「君のその態度はなんだね! このシム州立大学の学生にあるまじき態度だ!」
「いたーい!」
「うわーん! 体罰教師~」
「ボクは教授だ」
結衣ちゃん、泣かされてしまいました。
一方の真美ちゃんは。
昨日やってきた牛の中の人と仲良くなるべく、電話攻撃です。
「雨降ったら、その着ぐるみだとつらくない? 水吸っちゃってさー」
結衣ちゃんを泣かせて気が済んだのか、今度は外にいる学生達にも話しかけてきました。
「自然には、さまざまな数学の神秘が潜んでいるのだよ。放物線もしかりだ」
「そうなんすかぁ?」
そういえば、この教授、数学科の人だったっけか。
そして教授、トイレを詰まらす。
このやろう。
トイレを詰まらせた後は。
「春だな。たまには童心に返って、虫取りでも……よっ、ほっ!」
あなたはいつだって、童心だったじゃないですか。大人のくせに。
「うーむ。自然の神秘は、決して人の手中には納まらないようだな」
結局、捕まえられなかったわけです。
虫取りに飽きたら、今度は釣りです。
「釣りというものは、どこか詩的なところがあるな。自然は寡黙だ」
ブーツあたりが釣れそうな感じですが……、
「おお! これはすばらしい!!」
ナマズが釣れました。
ちっ、空気読めよな、教授。
釣りにも飽きた教授。
今度は健史君に構ってもらいたいらしく、じーっと見つめて立っています。
でも、健史君は農作業中。
誰にも構ってもらえず、結局このソファーに落ち着く。
「すこぶる空腹だ……」
そういえば牛も、みんなに無視された後で、ここに来ますよね。
教授は訪ねてきてから、今日一日何も食べていません。
いつも無視ではかわいそうなので、大奮発してベリーパイを用意しました。
ところが教授。
またもトイレを詰まらす。
こんちくしょう。
「あの教授、どれだけ不器用なんだ」
詰まらせたトイレは、健史君が直してくれました。
「双子の目玉焼きは、ボクは好かないのだよ」
双子の目玉焼きを全否定する教授。
そんなにイヤか。
あら、教授。
二皿目ですか?
相当おなかが減っていたらしいです。