2007
早朝。
鏡の中を覗き込むラグ。
ラグ(おうおう! なんだおめぇは。見かけない面だなぁ?)
そりゃ、見たことないでしょうよ、自分の顔は。
裕也君、今日もペット達のお世話から一日が始まります。
「朝のペット籠の掃除も、もう定番だなー」
庭に穴。
ぽみの仕業です。
穴を掘らないようにしつけたいんですが、なかなかタイミングが合わないんですよね。
雨でできた水溜りに、ぽみのおしっこが重なって、玄関の前が大洪水。
これもお掃除です。
やれやれ、朝ごはんはいつになったら食べられるんだろう。
うおーーーー!!?
トマトが実りましたっ!
もう秋の初めで旬は過ぎちゃったけど、実って本当によかったー!!
「収穫、収穫♪」
たくさん実りましたね。
こりゃ、ご近所さんにも分けて回らなきゃ。
あ、トマトジュース作るのにジューサー買わなきゃ。
でも、台所はもう物置けないし、どうしようかぁ。
とりあえず、トマトはバックパックに保存することにして、またもや願いの井戸。
「前よりかわいい女の子とか、降って来ないかなぁ~」
こら!
「おお!?」
ピカーと光って……、
ひゅーん……ぼてん
あうちっ、とピンクの彼女が飛来。
またもや眠たそうな顔の女の子。
う~ん、呼んどいてなんだけど、前のチアガールの方が好みだったな。
というわけで、速攻さようなら。
庭のりんごの木がボウボウだったのでお手入れ。
果樹って、すぐに病気になっちゃいます。
話しかけながら育てなきゃいけないんですが、植物に話しかけられるのは、金バッチガーデナーと植物シムだけだしなぁ。
さて、裕也君。
「ううっ!?」
スイフト(どうしたんだ? ご主人)
「あぐあっ……」
スイフト(息ができないんですかい!? それとも、変なものでも食べたんですかい!? てんとう虫は食わない方がいいって、あれほど……)
「カカ、カ……」
ジジ(何事? どうしたの?)
スイフト(ご主人の喉に、てんとう虫がつまったみたいなんすよ!)
「がくっ……」
ジジ(あ……)
スイフト(い……っ!?)
むくっ
「やあ! びっくりした?」
スイフト(びくっ)
ジジ(なぁんだ。やっぱりね)
「必殺『死んだふり』!! さあ、スイフトもやってごらん!」
スイフト(い、今のをおいらがやるんですかい!?)
ジジ(がんばってね~)
密売摘発ペットから軍用ペットに昇進するには、「死んだふり」を覚えなきゃいけないのです。
こてん
スイフト(こんな感じですかい?)
「そうそう! うまいじゃない!!」
リリ(もしかして、次にあれをやらされるのは、あたくし……?)
ショービジネスでも、「死んだふり」は必要なんですよ。
ジジとラグは、のんびりテレビ鑑賞です。
ジジ(眠たいけど、この番組見たい……!)
ラグ(ここからが、面白いところなんだぜぇい!)
おなじみの、「お料理サスペンス~ロブスターは見た~」
廊下では。
「ううっ、がく……」
リリ(う~ん。それほんとにやらなくちゃ、いけませんの……?)
「悲劇のヒロインをやるには、死んだふりがうまくなきゃね!」
リリ(が、がんばりますの、ご主人!!)
ジジ(おやすみ~)
今夜はジジがベッドを占領。
そのうち、裕也君の寝るところがなくなりそう……。
2007
毎日犬達が、郵便配達のお姉さんにご挨拶に行くのは、彼女が美人だからでしょうか。
マックス(お姉さん、ぼくもなでなでして~)
裕也君は朝からおしっこの始末。
犯人はぽみと思われます。
いつの間にかしてるから、なかなかしつけられないんですよね。
今朝はこっちのペットベッドのお掃除。
自給自足生活に比べたら、ペットのお世話はまだ楽な方です。
ついにジジが、キャリアのトップに上り詰めました。
裕也君の願望達成も、もうすぐです。
ジジ(えっへん。ほめてほめて)
ぽみ(ジジちゃん、すごいのなの)
お庭のりんごの木に、りんごがなりました。
この木、病気なせいか、りんごが白い……。
とりあえず、収穫。
本当にまずそうなりんごだな。
表記名も、「味気ないりんご」でした。
りんごはまあいいとして、この間収穫したトマトで、トマトジュースを作りました。
このトマトは、精魂こめて手入れしたので、とってもおいしいトマトです。
ごくごく。
トマトジュースを飲むと、なぜか体がぽかぽか。
唐辛子ジュースじゃあるまいし。
ジュースのあとは、マックスをお風呂に入れます。
マックス(僕もジュース飲んでみたいな)
ペット達にも、お魚や野菜を食べさせてあげられればよかったんですけど。
裕也君、今日も願いの井戸にロマンスをお願い。
「かわいい彼女が来ますように!」
どべち!
雨と一緒に女の子が降って来ました。
こんな子。
……やっぱり、一番最初のチアガールが一番よかったなぁ。
というわけで、彼女を家にお呼びしました。
そして。
「僕と結婚してください!」
「わお!」
プロポーズ。
プロポーズは成功。
よかったですね。
彼女には、結婚に備えて引っ越してきてもらいました。
「家ペットが六匹もいて、騒がしいけど」
「動物は好きだから、むしろ楽しみだわ!」
ヤングアダルトな彼女は、引越しと同時にアダルトに大変身。
「これで私も一人前~!」
これまた、すごいファッションセンス。
ところで彼女。
チアガールだったということは、彼女の正装はこれなわけで。
ラマ。
ある意味、これ以上ないくらいのお似合いカップルかもしれません。
ペット達からすれば、また変な飼い主が増えた、というわけで。
「ぽみ。ジェシカちゃんと仲良くしてあげてね。彼女、ラマだけど」
ぽみ(ジェシカちゃんのながーいお耳、かみかみしてみたいのなの)
ぽみ(でも、ご主人がそういうなら、一緒に遊んであげるのなのー)
「おお? ぽみ、ころんが上手になったね!」
ジジ(ぽみちゃん、こっちに転がってこないでね。僕、今食事中だから)
2007
本日はお日柄もよく。
ラマな彼女には、一応裕也君と同じ、牛スタイルに変身してもらいました。
「牛だ」
「牛の結婚式だ」
お友達を呼んで、いざ式の始まりです。
指輪の交換。
「ひずめって、指輪が通りにくい……」
ちなみに、左の牛が新婦です。
「二人で、というか僕達二頭で、素敵な家庭を築いていこうね」
この二人の子供も、やっぱり牛なんだろうな。
参列者の皆さんも、拍手拍手。
「変な結婚式~」
結婚式が終わった後は、参列者の皆さんには自由に行動してもらうんですが。
狭苦しい猫部屋で、キックバックを始める人たち。
ペット達にかまう人たち。
「ほーら、高い高い!」
ジジ(僕、赤ちゃんじゃないんだよ! 猫に高い高いなんて、いい迷惑!)
ペット達よ、お客さんに付き合ってあげてね。
仕事から帰ってきたラグとスイフト。
彼らもとうとうキャリアのトップに上り詰め、軍用ペットになりました。
これであとは、ぽみとリリがトップになってくれれば、裕也君の生涯願望は達成です!
狭い猫部屋で、枕たたきをする人々。
リリ(……騒がしいですわねぇ)
「ん~。かわいいねー」
ジジ(唇に、ぺろってしちゃっていい? ぺろって)
「ほーら高い高い!」
ジジ(高い高いは、もういいよ~)
ペット達も、大変です。
お客さんたちがようやく帰り始めて、ペット達にも平和が戻ってきました。
おなじみのお料理サスペンス「そしておじいさんは起きなかった」
マックス(今日はどんなのだろう。わくわく)
スイフト(この番組面白いけど、毎回オチが火事ってのはどうにかならんのですかね)
マックス(でも、今回のは違うらしいよ)
裕也君はお父さんとおしゃべり。
「孫が生まれたら、また来るからな」
「うん。電話するー」
「今日の結婚式は、よかったね」
「みんなに祝福されて、うれしかったわ」
二人が並ぶと、なんだか変な感じですね。
リリ(お二人に子供ができたら、私達も大変になりますわね。子供って、とても大変な生き物ですもの!)
リリ(あちらの方は、何の悩みもなさそうで、うらやましいですわ)
本当に、子供が生まれたら、ペット達は大変になりますね。
マックスとぽみは、お互いに匂いを嗅ぎ中。
マックス(くんくん)
ぽみ(すんすん)
二人は仲良し。
ラマなお嫁さん。
翌日からはすっかりお家になじんでいました。
裕也君の椅子で、うたた寝。
家族が増えたから、この椅子も二人がけのソファーに買い換えないとですね。
ペット達が稼いでくれるので、家はお金持ちです。
「僕に子供ができたら、牛として育てようか。それとも、ラマとして育てるべきか。悩むなぁ……」
リリ(マックスさん! ご主人のお嫁さんが寝ていらっしゃるんだから、騒がしくしたらダメですのよ!)
マックス(はい、ごめんなさい)
相変わらず、最弱のマックス君。
そして、ラマなんだか牛なんだかな彼女に、赤ちゃんが本当にできました。
きれいな色の妊婦服ですね。
季節はいよいよ冬。
裕也君の家にも、初雪が降りました。
寒い中、せっせとペット小屋のお掃除。
お尻の尻尾がキュートな裕也君です。
ジェシカさんとリリが、仲良くそろって就寝中。
猫がベッドに登ったのは、寒くなってきたせいでしょうかね。
「リリ、シッシ! そこに寝てたら、僕が眠れないでしょ!」
裕也君に、あえなく追い払われました。
リリ(せっかくぬくぬく寝ていましたのに)
「本当に、ちょっと油断するとすぐに登るんだから」
リリ(いいですもん、つーん)
追い払われたリリ。
何をするのかと思いきや、
腹いせに、おしっこ漏らし!
リリ(居間にやってやりましたのよ!)
勘弁してください。
2007
すっかり、雪が降り積もりました。
マックス(えーと、えーと。確かご飯皿はこのあたりに……)
ご飯皿もすっかり雪の下。
ペット達の記憶力が試されます。
スイフト(ん~? なんすかね、あそこにチラッとだけ見えてるものは)
しかも、なんだかぴょこぴょこ動いてますよ。
ガムを噛んでいたぽみでした。
雪が降ると、色々楽しいですね。
夜が明けて、裕也君は早速雪だるま作り。
そのころ、家の中では。
喧嘩!?
家のペット達、喧嘩するほど仲は悪くなかったと思うけど!?
「ぎにゃーっ!!」
あ、スイフトが見えた。
相手は誰だ?
相手はラグ!
どうしたの、あんた達。
一番仲のいい、セキュリティーキャリアコンビだったじゃない!
スイフト(いやー。やっぱ兄さん強いねー。おいらなんて、まだまだ修行が足りないよ)
ラグ(へっへっへ。俺が勝つのは、当然なんだぜぇい)
ジジ(格闘なら、外でやってほしいんだよね……)
ラグ(勝ったんだじぇい!)
スイフト(負けた……)
なんだったんでしょう、この二匹。
ぽみ(ごしゅじーん、ごしゅじーぃん! ぽみ、救助犬になったのなの~)
この日、とうとうぽみがキャリアのトップに。
まだリリがキャリアを極めてはいなかったのですが、なぜか裕也君の生涯願望が叶いました。
お昼頃、ペンギンがやってきました。
勝手に家の中を通って……、
雪だるまとおしゃべり。
マックス(なんか、見慣れないのが来たよ!)
友達になれるかな?
しかし、ペンギンはすぐに帰ってしまいました。
裕也君、雪だるま崩しに挑戦。
「すうぅっ……!」
「あたたたたたた!」
雪だるまに百裂拳。
「ふぅ、終わった……」
雪だるま、哀れ。
「赤ちゃん、まだ?」
「まだまだ」
裕也君のお嫁さんは、牛になったりラマになったり、色々です。
リリもようやく大スターまで上り詰めました。
これで六匹のペット達は、皆キャリアの頂点です。
裕也君の生涯願望も叶って、皆さんご苦労様。
ペット達には、しつけもそこそこにして、後はのんびりと過ごしてもらうことになりそうです。
ジジ(やっぱり、シムの食べてるものの方がおいしそう……)
ジジは相変わらず、シムの食べ物に興味津々。
マックスも、六匹のペット達のリーダーとして、今後も頑張ってもらいましょう。
最弱だけど。
そんな中、とうとう裕也君の息子が生まれて……、
ジジ(子供って、相当やばいらしいよ)
ぽみ(たいへんって、どれくらいやばいのなの?)
ジジ(よくわかんないけど、すごくやばいらしいよ)
「きゃう~。ねこた~ん!」
スイフト(クビがしまるっすよ!)
最初の犠牲者はスイフトでした。
「しゅりしゅり~」
スイフト(我慢! 我慢っす!)
「ふわふわた~ん!」
リリ(えっ!? なんですの! 次はあたくし!!?)
「きゃー!」
リリ(ごしゅじーん! お子様の面倒は、ちゃんと見ててくださいよーん!)
ペット達の新しい受難は始まったばかり。
とりあえずは、裕也君の生涯願望が達成されたということで、ペットライフはここまでです。
ありがとうございました。