2007
さあ、朝ごはんですよ。
休日の朝は、のんびりしていいものです。
「やーねぇ。今日は雨だわ」
「え~? 最悪。今日バイトだってのにぃ。空気が湿気てると、着ぐるみって臭うのよねー」
雷で、一瞬家の中が明るくなりました。
ものすごくゴロゴロ言ってます。
「家の木とかに落ちない?」
「それより停電が嫌だよ」
「ママねー、仕事先でお昼ご飯作ってたら、双子の卵見つけちゃったんだー」
「へー。珍しいね! そのうち、何かいいことあるんじゃない?」
「かもね」
「私ね、この間服買っちゃった! 250$もしたんだよ!」
「え~、高っ」
「真美、そんなにお小遣い持ってるの?」
「バイトで貯めたんだよ~ん」
弘美ちゃんと結衣ちゃん、まったく同じ顔で驚いてます。
親子だなぁ。
朝食のあと。
「あら、日が射してきたわ。雨が上がるのかもね」
夏の日の、一瞬の嵐でしたね。
雨が上がって、真美ちゃんが早速したこと。
望遠鏡で、覗きです。
「お~? あの人、一人でなにやってんだろ。きひひっ」
そんな子に育てた覚えは……。
せっかく雨が上がったけど、あまり活発でない結衣ちゃんは、テレビの前です。
ほっといたらずっと見てます。
もうちょっと動いて、新しい友達とか彼氏とかを見つけてきてくれればいいんですが。
弘美ちゃんは、ころをお洗濯。
「きれいになろーねー」
入浴中、いい子にしてくれました。
ところが弘美ちゃん、お風呂を壊す。
どれだけ怪力なのかと。
「ママ、私お風呂に入りたいんだけど」
「ちょっと待ってね。今直してるから」
しかし、結局弘美ちゃんは真美ちゃんに強引に外に出されてしまいました。
直後に、脱衣所に飛び込んできた見知らぬ男性。
どうやら真美ちゃんに、覗きをされていた人みたいです。
怒鳴り込んできたのはいいけれど、今その扉を開けたら、あなたが覗きになりますよ。
「あ、かなたさん? 私、弘美です。昨日の夜、遥が来たわ。すっごく背が大きくなちゃってて、びっくりした。本当に立派になったわねぇ」
「遥、ダウンタウンで一人暮らしはじめるんですってね。ブルーウォーター村からなら近いから、私毎日でも会いに行っちゃいそう。ところでね、今かなたさんはどういう風に暮らしてるの?」
弘美ちゃん、遥君に会えてよっぽど嬉しかったみたいです。
この笑顔!
「……え? 一人暮らししてるの? 私、かなたさんは弥生ちゃんと……」
その件に関しては、かなた君の口は重く、自分では言いたくないから遥君に電話で聞いて欲しいとの事。
弘美ちゃんの心に、ふっと影が射します。
「遥? ねえ、パパったらどうしちゃったの? 一人暮らしって……」
(ちょっと長い話になるけどいい?)
「私なら、いいわよ。聞かせて」
弘美ちゃんの従兄弟聖司君の、娘の弥生ちゃん。
かなた君が淡い思いを寄せていた女性。
でも、彼女には婚約者がいて。
かなた君は弘美ちゃんと別れた後、思い切って彼女に告白しました。
そして、弥生ちゃんもそれを喜んでくれたのです。
(パパもママと別れた後だったから、弥生さんに余計気持ちが傾いていたんだと思うんだ)
そう、遥君は言います。
かなた君も弥生ちゃんの気持ちを確認し、弥生ちゃんの婚約者を説得しようとしたそうです。
ところがその矢先に、弥生ちゃんのおなかが大きくなって妊娠が発覚。
「!?」
相手は、婚約者さんだったようで……。
弥生ちゃんがかなた君に告白される少し前に、関係したらしく……。
結局かなた君は、弥生ちゃんと結ばれることはなかったのです。
いったいどれだけ波乱万丈なんですか(プレイヤーが弥生ちゃんを妊娠させたことをど忘れしていたのが、そもそもの原因ですが……)。
「じゃ、じゃあ……。パパ、ずっと一人だったの……?」
弘美ちゃんも、この事実に胸が張り裂けそうです。
(パパに会ってみる? それなら、僕からレストランに、ママの名前で予約入れとくから)
「……今の話し全部、空耳とかじゃ、ないよね……」
大変なことになりましたね。
プレイヤーの物忘れは、シムたちにとっては不可抗力です。