2007
圭君、久しぶりにお父さんを寮に招待しました。
「父さん達のバンドも、兄弟が先に逝っちゃって、残ったのは俺一人だよ。お前、楽器得意だったろう? メンバーを集めてバンドを復活させてくれるとうれしいんだがなぁ」
「メンバーかぁ。今の俺達も卒業したらばらばらだしなぁ」
圭志君、息子のために帰りがけ、素敵なピアノを披露してくれました。
バンド、再結成できればいいんですけどねぇ。
樹君。
今度は何をやり始めたと思ったら。
食堂でバイトですか。
突然どうした。
「仕事、代わってもらって悪いわねー」
食堂のおばちゃんに言いくるめられたようです。
おばちゃん、のんびりポテトチップスをパリポリ。
老体には結構きついお仕事ですから、たまにはこういうのもいいかもしれません。
樹君もたまにはいいことしますね。
ところで、結局何一つ色っぽいお話がないキャンパス第三期。
一組くらいカップルを作りたい、と思って、仲のよかった例の二人に白羽の矢を立てました。
ためしに、修太君にシムをチェックしてもらうと……、
「イリーナってしっかり者だし、まじめだし、きれい好きだし、サイコーだよなー」
なかなかいい感じじゃありませんか。
早速イリーナちゃんにアタックです。
イリーナちゃん、ランドリー・コーレイになにやらいちゃもんつけてやり返されていますが……。
コーレイ、これ以上敵を増やさない方がいいと思うけど。
コーレイを追っ払って、手をつなぐと……。
あっという間に恋に落ちました。
修太君にとって、イリーナちゃんはこれ以上ないくらいの理想のお嫁さんになってくれるかもしれません。
善は急げ。
いきなり、イリーナちゃんの足元にひざまずく修太君。
「イリーナ!」
「な、なによ」
「俺と結婚してくれ!」
「うそ!?」
差し出したのは婚約指輪。
修太君、用意がよすぎです。
その抜け目なさはさすが財産願望。
「うそみたい……」
なぜか婚約指輪を所持していた修太君もうそみたいですが、それを受け取ったあなたもあなたです。
さっき恋に落ちたばっかなのに。
「うれしい!」
あっけないほどに、カップル成立です。
よかったよかった。
一方の弘美ちゃんは、パパと撮った写真を脇に、一人物思い。
「あーあ。大学で未来の旦那さんを見つけられると思ったのに……。誰かのせいで夢もすっかりつぶれちゃったわ。せめて、最優等で卒業できればいいなぁ」
その誰かが来ました。
「やー、なんだなんだ。弘美、こんなところにいたのかー!」
「何よ突然」
「……まだ俺のこと怒ってる?」
「もういいわよ。あんたに怒ってもしょうがないことは分かったんだし」
「なんだよ冷たいな、それ」
「俺とやり直す気、ない?」
「うーん。ない」
きっぱり。
それがいいかもですね、弘美ちゃん。