2007
敷地の端っこに、犬の掘った穴を発見しました。
だいぶ掘ったなぁ。
(あのくそ犬~っ)
犬のだめ出ししながら、穴を埋める樹君。
朝からとんだ仕事をさせられたものです。
埋めたら足でならして、元通り。
さあ、さっそくダウンタウンへと繰り出しましょうか。
やってきたのはダウンタウンの公園。
デート相手は、大学時代の彼女、ホイットニーちゃんです。
今日は、彼女のハートを取り戻すのが目的。
まずはゴシップで盛り上がる二人。
それから枕たたき。
青空の下の枕たたきは、気持ちがいいですね。
それにしても、どこから枕なんて取り出したんだろう。
遊んでいるうちに、ようやく樹君に淡い恋心が戻ってきました。
と、何の脈絡もなく、ふっと弘美ちゃんのことを思い出す樹君。
今はホイットニーちゃんとのデートなのに。
気を取り直して、ホイットニーちゃんを口説くと。
彼女にも淡い恋心が戻ってきました。
よかったー。
これで、大学時代の連続浮気事件で生じた亀裂がひとつ修復されました。
ホイットニーちゃんにハートを飛ばす樹君。
実は彼女との相性は、最高です。
でも、デートしていていまひとつ面白みが足りないなぁ。
やっぱり、大学生相手の恋愛だからでしょうか。
場所を移すことにしました。
やってきたのは「ミッドナイト・フローズ」……だったと思う。
まずはお食事。
相性が最良のせいか、食べたいものまで同じな二人。
あ、この人は……。
樹君の仕事の同僚が来ていました。
なんだかかなり汚い格好ですね。
またおならしてます。
こいつと友達でいるの、やめようかな。
二人とも、モモのタルトレットを注文しました。
ホイットニーちゃんの話では、あの寮ではまだ喧嘩が絶えないようです。
ランドリー・コーレイとブーイ・ジャスミナですね。
食事の後は二人でデュエット。
樹君は日ごろから創作のスキルを鍛えているので、かなり上手です。
ホイットニーちゃんは……。
相変わらず下手ですね。
でもまあ、楽しければそれでよし。
夜が更けるまで、熱唱する二人なのでした。
夜のサンシャイン・パーク。
ホイットニーちゃんと別れて、一人ベンチに座る樹君。
「くそー、弘美の奴。あんな男とデートしてよぉ……」
まだ怒りに燃えている樹君。
こうしている間にも、弘美ちゃんはかなた君とさらに仲良くなっているかもしれないのです。
そこへ、突如コウモリが飛来!
アップでみると気持ち悪いよー。
いつぞやの吸血鬼のお姉さんでした。
「ふふふ。こんばんわ。一人で何をしているの?」
「あ、こんばんわ、ウェンディ伯爵夫人。そちらこそ、お一人で夜の散歩ですか?」
「そんなとこかしら」
早速ウェンディ婦人を口説く樹君。
婦人の心に、淡い恋心が芽生えました。
ところで、ウェンディ婦人って既婚者なんですかねぇ。
星空の下での枕たたき。
どうもロマンチックからは程遠いなぁ。
樹君がダウンタウンから帰って。
ホイットニーちゃんとウェンディ伯爵夫人が、デートのお礼にバラを届けに来てくれました。
しかも、なぜか二人そろって。
お互い相手を見ても、なんとも思ったりしないんでしょうか。
ある意味、すごい光景。
「バラ……」
たくさんの相手とデートして、バラの花束をコレクションしてみるのも、いいかもしれませんね。
これで現在の恋人五人。
2007
女の子を家に招待しました。
この子も、大学時代に仲良くなっておいた子です。
またこの子の名前を忘れてしまっている樹君。
「あー、ええーと。まぁ、ようこそ」
「久しぶりね。こうして会うの、卒業以来じゃない?」
また、弘美ちゃんのことが頭をよぎった。
そんなに気になるなら、何か行動を起こそうぜ。
でも今は、目の前の女の子に集中してね。
軽くほのめかせてみると、女の子にピンクと赤いハートが同時に来ました!
これで恋人は六人目です。
そうなると後は、二人でホットタブしかないでしょう。
大学での話題に花を咲かせる二人。
そしてさりげなく、樹君が女の子の肩に手を回すと……、
樹君にも、赤いハートが点灯!
これでお互いに恋に落ちました。
それより、通行人にめちゃくちゃ見られてますけど。
同じロマンス願望の弘樹君ですね。
しっかりウフフをいただいた後は、皆で夕食。
「20人の違うシムとウフフする」という生涯願望をすでにかなえている弘樹君は、言ってみれば樹君の大先輩にあたるわけですが。
「こまめに電話で仲良くなっとくのが大切なんだよね」
「なるほどなるほど」
夕食の後、恋人のフェリシアさんからシム付き合いのお誘いがあったので、行ってみることに。
すると、集まりの中にはもう一人の恋人ジャクリーヌちゃんの姿が。
これは、相当気をつけて行動しないと、血を見ることになりそうです。
集まりの中にはまだ知らない女の人もいたので、早速おしゃべりをしておきます。
これで後日電話することが出来ます。
もちろん、恋人達へのご奉仕も忘れてはいません。
ダンスフロアでは、ジャクリーヌちゃんのダンスのお相手をし、
フェリシアさんも、優しく抱擁していたわります。
樹君、この二人に二股がばれないか、ドキドキもの。
それを見ていた同行人の男。
「ねえ、君! どうしたらそんなに女の子と仲良くなれるんだ? 教えてくれ!」
「まず、お前の服装をどうにかした方がいいかな……」
同行人の中には、牛もいました。
すごい雑多な集まりですね。
フェリシアさんの交友関係の広さがうかがい知れます。
夕食の席では、石油問題と、樹君の知らない男の話題で盛り上がりました。
ジャクリーヌちゃんがその男にハートを飛ばしてますが、本当に誰だその男は。
この日のシム付き合いは、樹君の献身もあって、争いが怒ることもなく平和に過ぎました。
2007
ある朝のこと。
「ねえ叔父さん。私、仕事探そうと思うんだけど」
「あせらなくてもいいよ。家はだいぶ蓄えがあるから、好きな仕事が見つかるまでがんばりなさい」
「でも、働かなくてもいいけどなぁ。家は聖司がしっかり稼いでるから」
「うーん。さすがにそういうわけにも」
さて弘美ちゃん、今日はある人物に電話をかけました。
相手は……。
「あ、樹君? 最近どう、元気してる?」
樹君は友達でもあるし、そういつまでも怒っていられない彼女です。
「よかったら、うちに夕ご飯食べに来ない?」
招待されてやってきた樹君。
挨拶のハグですが、だいぶうれしそうな彼です。
「この間は悪かったな……。俺、なんかカーッとして」
「いいわよ。もう気にしてないから。私達、友達だもんね」
「友達……」
皆で夕食。
一人暮らしの樹君には、久しぶりに賑やかな食卓なのかもしれません。
樹君と遊びたい願望があった弘美ちゃん。
くすぐりあって、この通り。
「こちょこちょこちょ」
「わき腹はやめろって!」
それにしても、何で突然弘美ちゃんに家に招待されたのか。
その真意がいまひとつ分からない樹君です。
「完全に嫌われたと思ったんだけどなぁ。あ、ぴっけ……」
考え込んでいるさなかに突然ぴっけが飛来。
かごの扉が開いていたんですね。
夜も遅くなって、首をかしげながら樹君は帰途につきました。
弘美ちゃん、ある決心を前にして、樹君との関係をはっきりとさせたかったみたいです。
「樹君はやっぱり友達だもん。……友達だもん。恋人はかなた君」
しかし一度は恋仲にあった樹君です。
家族願望の弘美ちゃんには、まだ樹君を忘れたくない願望があったのです。
さて、翌日。
弘美ちゃんは聖司君に頼んで、論理スキルの強化です。
「これでこうやって、薬を作るのねー」
「気をつけてよ。失敗してウイルスなんて出来たら大変だからね」
夜まで特訓。
仕事を始めたらなかなかスキルをあげる暇がありませんから、今のうちにしっかりとレベルあげにいそしみます。
「今日もよく勉強したな。お仕事始めたら、バリバリがんばるぞ」
「弥生も、弘美ちゃんを見習ってたくさん勉強しなきゃね」
「えーっ?」
今夜も賑やかな佐田家家の食卓。
食後、透君はカーラと二人で、ベンチに座ってくつろぎます。
「これで弘美ちゃんが結婚したら、家ももっと賑やかになるだろうなぁ。ねぇ、カーラ」
「にゃん」
「でも僕は、弘美ちゃんの結婚式は、見れないかもしれないな。それがちょっと残念かな」
風がちょっと冷たい、静かな夕べです。
2007
「よしっ。これに決めた!」
弘美ちゃん、仕事が決まりました。
ママの麻美ちゃんと同じ、外食業キャリアです。
お料理も上手になれて、花嫁修業にはぴったりの職種。
さらに、今日はもうひとつ決めてしまいたいことがあります。
「もしもし、かなた君? 今夜、うちに夕食を食べに来ない?」
弘美ちゃんに招待されてやってきたかなた君。
あいさつするなり早速、居間のピアノにかじりついてしまいました。
音楽が好きなんですね。
「ねえ、かなた君。……ちょっといい?」
「あ、はい? 何かな」
「かなた君!」
「えっ、どうしたの?」
突然かなた君の前にひざまずいた弘美ちゃん。
これにはかなた君もびっくり。
「こここ、これっ……!」
「箱?」
ぱかっ
開ければ輝く婚約指輪
弘美ちゃん、立場が逆なんじゃない?
「どうしたんだい? これ」
驚きのあまり、がに股で指輪を受け取るかなた君。
「どうかな……」
「まるであつらえたみたいにぴったりだよ!」
「じゃ、OKなの?」
「もちろんだよ!」
「よかったー!」
弘美ちゃん、とうとう婚約です。
後は結婚式だけですね。
「家の庭に結婚式場があるから、そこで式を挙げられたらと思うんだけど」
かなた君には弘美ちゃんの家にお婿に行ってもらおうと思います。
一仕事終えた後は、夕食。
「それにしても驚いたな。まさかプロポーズされるとは思わなかったよ。僕の方からプロポーズしようと思っていたんだけど」
「本当? うれしいな」
ころが食卓にやってきました。
ものめずらしげにかなた君を見ています。
もうすぐこの人が家族になるよ、ころ。
かなた君が帰った後、婚約のことをママにご報告。
「ママ、私結婚するよ!」
「パパ、私の花嫁姿、見せたかったな」
弘美ちゃんの両親は、きっと空から結婚を喜んでくれると思いますよ。
弘美ちゃんがお墓の前でしんみりしている頃、表では……。
け、喧嘩!?
カーラが誰かと戦っています!
「フギャーッ!!」
ぼこばこがりがり
あっ! なんか太い尻尾が見えました!!
なんなんだ。
なんと、相手は狼です!
当たり前というか、カーラは負けました。
なんてものに喧嘩売ってるんだよー!
「フーッ」
「がるるっ」
女王様なカーラ。
自分の縄張りを荒らされまいと、侵入者に挑んだんですね。
その勇気だけはかいましょう。
眠りにつく弘美ちゃん。
(かなた君で良かったのよね……)
まだ微妙に、樹君のことが気にかかっているようですね。
家族願望は一度好きになった人のことを、忘れないからなぁ……。
2007
今日は弥生ちゃんの誕生日です。
皆で集まってお祝い。
「弥生ちゃん、おめでとう!」
「大きくなったね!」
「皆ありがとう。それじゃあ、ろうそく吹き消すねー」
お父さんとお母さん、お爺ちゃんに弘美ちゃんが見守る中。
きらっと光って、弥生ちゃん成長!
こんなになりました。
ちょっと頬がやせてて色も白いから、病弱そうに見えますね。
そして今日は、透君にとっても大事な日でもあります。
弥生ちゃんの成長を皆で祝っているその後ろに、静かに表れた黒い影。
死神さんです。
「さあ、時間が来ましたよ」
「ああ。そうか。もう、そんな時間なんだね……」
うなだれる透君。
「弥生の成長した姿も見れたし、僕は満足だよ。弘美ちゃんの花嫁姿が見れなかったのは、残念だけど」
「もう思い残すことはありませんね」
ところでちょっと。
邪魔だよ! そこの青い服の知らない人。
透君、旅行かばんを手に、静かに天国へと旅立っていくのでした。
「うわぁぁぁぁん! 叔父さーんっ!!」
弘美ちゃんにはお葬式続きで、ちょっとかわいそうですね。
でも、もうすぐ結婚だから。
庭の裏手には、豪華な墓標が勢ぞろいすることになりました。
またいつかの晩には、ひょっこり家族の前に出てきてくれることでしょう。
たくさん泣いた後は、皆でご飯。
こうしてとうとう佐田家分家は、新しい世代の者達だけとなりました。
やがては、弘美ちゃんのお婿さんがここに加わり、子供も出来ることでしょう。