2007
一年生後期が始まりました。
「ねえねえ。私のレポート、やってくれませんこと? やってくれたらキスしてあげますの」
「もちろんやるよ!」
河内姉妹、どんどん本性を現してきてますね……。
奨学金がたくさん入ったので、これを買いました。
高い望遠鏡。
隆志君には、これで思う存分星空を観察してもらおうと思います。
さらには楽器も買いました。
置き場所がないんで、廊下にさらしてますが。
さて、レポートを人に頼んだ花梨ちゃん。
ステレオの音楽に合わせて、体操中。
テレビのエクササイズ番組で運動するより、こっちの方が楽しそうですね。
他の面々は自力でレポート。
知識願望が多いので、たいていの子は自力でやってくれます。
そういえば、今期は家族願望がいなかったな。
楽しさ願望の真治君は、レポートさぼって早速楽器に飛びつきました。
ぱろんぺろんぽろん……
恐ろしく下手ですが。
体操していた花梨ちゃんの隣に、寮の男子Aがやってきて……。
「たのしそうだね。僕も混ぜてー」
一緒に踊りだしました。
なんかいいな、こいつ。
花梨ちゃんの笑顔は引きつってるようにも見えますが。
おや、真治君も楽器にひきつけられましたか。
とっても気持ちよさそうにひいてますが、
一本指でそこまで気持ちよくひける、あなたが分からない。
双子達が思う存分雑音をかき鳴らした後に、おもむろに隆志君がやってきました。
「あの双子、芸術的センスは皆無だな」
流暢な指さばきでピアノを奏でる隆志君。
なんか、かっこいいですよ。
そんな双子ですが、無謀なことにこんなことを言い出しました。
「俺らのじいちゃんって、バンドやってたんだろ。俺達もバンドやってみね?」
「メンバーはどうするんだ」
「隆志、あのメガネで意外と楽器うまいし、誘おうか。あと一人はどうする?」
「誰でもいいんじゃね? 俺達より楽器下手な奴って、この寮の中にはそうそういないっしょ」
君達、創作スキル0ってことは、自覚はしてるんだね。
日が暮れたら、隆志君には早速……。
彼は今財産願望なんですが、あとで知識願望に変えてあげようと思います。
じゃないと、かわいそうだからね。
ピアノの次はギターに向かったサトル君。
ノリにノッてますが、やっぱりへたくそ。
べんべんぽろりん
帽子の彼女も、
ぼーんぼーんべろん
サトル君と一緒に何かの曲を演奏しているらしいのですが、あまりに下手すぎて、旋律を聞き取るのは不可能です。
そんなギターとベースに、突如加わるプロ級のピアノ。
誰が寮にいれたんですか、このじいさん。
キャンパス二期生OBのファルク君ですね。
卒業生だから来たのかな。
真鈴ちゃんですが、新しい恋人探しといっても、本命のサトル君を放っておくわけにはいきません。
今日は二人でデートでもしようと思ったのですが……。
サトル君が快諾してくれるなり、真鈴ちゃん、すさまじく得意げな顔をした。
この勝ち誇ったような顔、嫌な女だな。
と、そこへ。
「この浮気者ー!!」
天誅か。
明君に見つかってしまったようです!
バッシーン!
怒りの平手打ちが炸裂。
これは痛い。
「なに? なんなのよ」
目が回って、しばし状況がつかめてない真鈴ちゃんですが……、
いったん立ち直ると、これ。
「何すんのよ、このサル!」
こわ。
後ろのサトル君はなんともいえない表情。
バチバチバチ!
真鈴ちゃん、仕返しの往復ビンタ。
「むっふっふ……」
真鈴ちゃんに逆らうと、こうなるのです。
その間、サトル君はずっと放置。
彼は恋人の二股に何を思うか。
強気な行動を見せた真鈴ちゃんでしたが、明君が去った後に涙。
「ぐすん……。あのサル。サルのくせにぃ~!」
それより、後ろのサトル君をかまってあげようよ。
買った望遠鏡ですが、昼間も活用されてます。
覗きに。
エルちゃん、あなた覗きをするような子だったんですか!
どこかの豪邸を覗いているようですね。
大理石の置物が見えてます。
望遠鏡の持ち主隆志君も当然、覗く。
「うわ! やべーもん見ちゃったよ」
メガネキャラですが、全然そういうキャラではありません。
それより、郵便受けの旗が立ってますね。
隆志君に手紙を見てもらいましょう。
そう思って、手紙をとるよう指示すると……。
郵便受けからかわいらしいピンクの手紙が出てきました。
「うわー、もしかしなくてもラブレターじゃん。ん~、いい匂い」
「僕って罪な男だな~。記念にもらっとこ」
って、おいー!
それお前に来た手紙じゃないから!!
恐らく、さっきデートしてたサトル君が、真鈴ちゃんに宛てた手紙だと思うのですが!
ちなみに春日ちゃん。
自宅にピアノとギターが置いてあったので、かなりうまいです。
双子達のバンドのメンバーになっても、いいかもしれません。
サトル君は相変わらず一本指。
少しは上達してくれ。
一方の明君。
真鈴ちゃんと喧嘩してから、ますます春日ちゃんにべったりになりました。
春日ちゃんのギターを聞いて、べた褒めです。
「すごいなー。プロみたいだよ!」
拍手拍手拍手。
ハートもいっぱい飛ばしてます。
どうする? いっそ、口説いちゃう?
2007
レポートもやったし、課題も終わったし、あとは試験を受けるのみ。
真鈴ちゃんがゆったりソファーに横になっていると……。
部屋に入ってきた誰かの気配。
現れたのは彼。
真鈴ちゃんの弟、裕也君です。
彼も大学生になって、このアカデミーにやってきたのです。
「もう前みたいにはいかないからな! 謝るなら今のうちだぞ!」
裕也君、入ってくるなり真鈴ちゃんを小突きました。
「痛ーい。何するのよ」
「弟のくせに! そーよあんたは、一生あたしの弟なのよ下僕なのよ!」
真鈴ちゃんも小突き返し。
ところが、真鈴ちゃんの後ろに迫るもうひとつの影が。
「ふーんだ!」
「お嬢さん、ここに何かついてますよ」
知らないおばさんが乱入。
「え? なになに?」
と下を向いたところを……、
ピン!
「ふがっ」
鼻先をはじかれてしまいました。
「不快なことをする」です!
「あははははっ! 引っかかった引っかかったー!」
「むうぅぅぅぅ-っ!!!」
「何すんのよ! この厚化粧! 塗り壁ばばあ!」
「ぬ、ぬり……?」
当然、知らないおばさんにも容赦なくキレる真鈴ちゃん。
一体何なんでしょう、このおばさんは。
ところが。
「こっちの話はまだ終わってないぞ!」
裕也君の平手打ち。
「黙れ! このボケナス!!」
真鈴ちゃんも負けじとやり返します。
すると今度は、おばさんがまた不快なことをしてきて……。
なぜか裕也君とこのおばさんが交代ごうたいに、真鈴ちゃんをいじめてきます。
この謎のタッグに、さすがの真鈴ちゃんもたじたじ。
実は裕也君とあのおばさん、明君がパーティーのために呼んだゲストでした。
あのおばさんは明君のお母さん。
もともと性格が悪かったようで、たまたま目に付いた真鈴ちゃんがターゲットになってしまったようでした。
さて。
真治君、練習の甲斐があってか、ギターを弾く姿がだんだん様になってきましたね。
それに、簡単ならば曲も弾けるようになってきたようです。
バンドを組める日も、近いかな?
そして、深夜3時。
またしてもこんな時間に、試験にたたき起こされる学生達。
本当に、非常識だって、この大学。
大半の学生がパジャマのまま試験を受けに行って、全員合格。
結果オーライ。
それにしても、ちゃんと着替えて授業に行く学生って、花梨ちゃんとエルちゃんと真治君の三人だけなんじゃ……。
多いな、パジャマ組。
2007
突然ですが、引っ越しました。
寮での生活も楽だけど、やっぱり炊事や掃除を皆で協力し合って暮らすのも楽しかろうと。
こちらの家が、今日から皆の暮らす場所になります。
花梨ちゃん、新しい家に大はしゃぎ。
ふざけて隆君に枕たたきを挑んだら……。
「いたー。何するんだよ……」
友好度が足りず、相手にしてくれませんでした。
枕たたき、あんまりなかのよくない人に仕掛けると、かえってよくないですね。
こちらの人達は、トイレで込み合ってます。
予算の都合で公衆トイレが買えず、こんな風に2マス分壁で囲って、公衆トイレ風にしてます。
「春日ちゃんって、勉強が出来てすごいよなー」
明君、相変わらず春日ちゃん命です。
すごいハートの量だな。
フリーウィルで口説くのを、待ってみましょうか。
こちらは口論。
「だから、毎週一人ずつ交代で食事当番と掃除当番をすればいいのよ!」
「食事当番は、料理のうまい奴だけに限定したほうがいいじゃないかよ!」
これから8人だけで生活するんだから、仲良くやってくださいよ。
快活の低い連中が多いので、油断してるとすぐに喧嘩を始めてしまいます。
こちらの二人は、まだトイレにいました。
そこ狭いんだから、他所で遊びなさいよ!
牛きたる。
キャンパスライフのトラブルメーカー、牛さんが、この家にもやってきました。
例のごとく、不法侵入。
ですがこの牛さん、実はサトル君とお友達。
仲良く二人で枕たたきをして、悪さは何もしませんでした。
真鈴ちゃんにちょっとちょっかいを出して、どつき返されたくらい。
そういえばこの家、スプリンクラーを設置してなかったなぁ。
こんなところで枕たたき。
授業帰りの二人です。
授業の終わる時間が一緒だと、勝手に遊んで仲良くなってくれますよね。
牛と明君のセッション。
でも牛はど下手くそです。
明君は上手なので、たくさんおひねりがもらえました。
とここで、プレイヤーはせこい小銭儲けを思いつく。
実はこの家を購入するのにお金を全部使ってしまって、現在の持ち金は5$。
ところが、なぜかおひねりは100$も入れられる。
これを回収すれば、お金がちょっぴり稼げます。
チートを使わないと決めているので、こういうセコイ小技を駆使して、生活費稼ぎです。
ということで、どんどんおひねりを入れちゃいます。
もういっちょ。
しかし、この技はあまりに地道すぎるため、300$ほどで挫折しました。
奨学金がもらえるのを待ったほうが早いや。
授業帰りの三人。
なぜか春日ちゃんは、女の子達にもてます。
今回は花梨ちゃんが春日ちゃんをとったようです。
エルちゃんは、春日ちゃんへの行動待ち。
二人の枕たたきが終われば、すかさずエルちゃんが春日ちゃんと会話。
「最近の授業って、難しくてさっぱりよねー」
「わあ! エルちゃんもそうなんだー。私も全然わかんないよ」
お昼になりました。
今日は花梨ちゃんに用意してもらうことに。
メニューはチリコンカルネ。
包丁さばきもなれたものです。
とはいえ、一度に用意できるのは六人分のみ。
二人ほどが食いっぱぐれることになります。
今回お昼にありつけたのはこの6人。
あとの2人は自分でお昼を用意してもらいます。
それにしても、皆でひとつの食卓を囲むのって、楽しいですね。
そのころ台所では、食いっぱぐれた真鈴ちゃんが、自分のお昼を作っていたんですが……。
出火。
引越し初日にして、早くも初火事です!
和やかなダイニングキッチンが、一瞬にして阿鼻叫喚の大混乱に。
しかも2人ほど「恐れ」が叶ってしまってます。
痛いなぁ、これは。
「どどどど、どうしてー!? 火つけたら、ボワッて、ボワッ……!!!」
さじを持ったまま、大慌ての真鈴ちゃん。
もう少し火から離れた方がよくないかー!?
引火しても知らないからね!
さらに勢いを増す炎。
8人も人がいて、全員取り乱すことしか出来ないとは。
「水ー! 水どこー!!?」
「ひいぃぃぃ、あちち!」
ごおおおっ!
すさまじい火柱。
ここでようやく消防士さん到着。
皆! 消防士さんの場所を空けなさい!
ぶしゅーう……
ようやく鎮火。
よかった。誰も黒焦げにならなくて。
火が消えたら、今度はこれ。
「部屋が焦げ臭い!」
全部真鈴ちゃんのせいだよ!
「あーん。私のチリコンカルネ……」
料理はすでに炭化してしまってるようです。
まあ、あの火の中じゃね。
責任もって食べてください。
他の面々も、ようやく落ち着いて食事に戻ります。
真鈴ちゃんは一人で炭化したチリコンカルネをがっつき。
あれ、牛、まだいたの?
そういえば、火事のときは見えなかったけど、どこに行ってたんでしょ。
2007
真鈴ちゃんが夕食当番。
今度は火事を起こさずにね。
おいしそうに出来ました。
「うーん。我ながらいい匂い! サイコーの出来だわ」
「はい、サトル」
「ん。ありがと」
夕食の後。
「春日ちゃん、この間の小テストも満点だったんだて? すごいよなー」
明君が、また飽きもせずに春日ちゃんにハートをいっぱい飛ばしてます。
そのあと、すぐに真鈴ちゃんが春日ちゃんに枕たたきを仕掛けました。
春日ちゃん、引っ張りだこ。
奥では、夕食にあぶれた真治君が自主的に夕飯を作っています。
「カウンターはもっと綺麗に使ってほしいな……」
潔癖症のエルちゃん。
指示しなくても掃除をしてくれるので、家の中はいつも綺麗です。
食堂で枕たたき大会。
「お前ら邪魔だよー」
真治君がテーブルに着けずに困ってます。
枕たたきって、狭いところでやられると本当に迷惑。
こちらは牛を加えてのセッション。
上手なのは隆志君だけ。
後はでたらめに弾いてます。
バンドを組もうといったサトル君も、ひどいベース。
(サトルをものにするには、相当苦労しそうだなぁ。とりあえず、特訓かな……)
バンドのリーダーは隆志君で決まりですね。
そして、就寝。
引越し初日の夜はこうして更けました。
部屋は二人一組になってます。
皆おやすみ。
春日ちゃん、シドさんの夢を見てハート飛ばしてる……。
お母さんの恋人だった人ですね。
同じ血を引くだけあって、相性がいいのでしょうか。
翌朝。
真治君は成績が足りていなかったので、課題をやってもらうことに。
牛のパジャマがかわいいです。
花梨ちゃんも、おはよう。
なぜかくまのぬいぐるみを持っています。
それ、たしか「おもちゃがほしい」って駄々こねてた真治君のために買ったくま……。
どうやら、真鈴ちゃんに腹話術で話しかけたいらしい。
しかし、朝のトイレは大混雑。
花梨ちゃん、真鈴ちゃんまで行きつくことが出来ません。
そして、トイレに放置されるくま。
もとあったところに戻してやろうよ!
まあ、ここに置いとけば、また誰かが取り上げてくれるかもしれませんね。
人通り多いし。
電話が鳴りました。
「あ、はい。隆志ですか? いますよ。すぐにかわります」
あの隆志君に、女の子から電話です。
「おい隆志! さっきの電話、誰からだよ!」
「誰って、友達だよ」
「友達?」
「ただの幼馴染」
なんだ。つまんないですね。
二人でセッション。
明君と真治君です。
バンドのメンバーも大体決まったようですね。
真治君も練習の甲斐があって、だいぶ弾けるようになりました。
ドラムも買ったら、いっぺん皆で合わせてみるといいですね。
2007
昨日の火事騒ぎで、願望値が下がっていた隆志君。
パーティーを開いて、回復することに。
「とりあえずスポーツパーティやるから、来てよ」
やってきたのはこの三人。
また裕也君が来てます。
喧嘩が起きなきゃいいけど。
家の中に入ってきた裕也君。
ピアノを弾いていた隆志君におひねり。
金欠の今は、ありがたい。
隆志君は上手だから、たくさんもらえてそうです。
トイレに放置されていた熊。
今度は春日ちゃんの手に。
「カリンチャン、コニチワー」
「今シャワー浴びてるから、後にしてほしいですの……」
どうもタイミングが合わないですね。
またトイレに放置される熊。
トイレから出られるのはいつの日か。
と、思ったら。
また花梨ちゃんが拾い上げてくれました。
「シンヂクン、ボク、クマタロウデス。ヨロシクネ」
「花梨、俺今ギター弾いてるから、後にしてよ」
タイミングが合いません。
あっ!
真鈴ちゃんと裕也君が。
これは喧嘩が始まるか!?
幸い裕也君、真鈴ちゃんを素通りして本棚へ。
よかった……。
ところで、隆志君に電話をくれたのはこの彼女。
なかなかかわいい子です。
隆志君にはもったいない……。
お客さんも交えて、皆でお昼ご飯。
せっかく一戸建てに引っ越したんだから、グリークハウスの申請もしてもいいかもしれませんね。
その頃のパーティー主催者。
やる気ないな。
せっかくあんなかわいい友達が来てるんだから、ちょっとはかまってあげなさいよ。
「そういえば、もうすぐ試験だしなー。だりぃなー」
幼馴染の扱いなんて、所詮こんなものか。