2007
■佐田家 弘美(さたけ ひろみ)
・家族願望
・生涯願望:六人の子供を結婚させる(ごめん。子供六人もつくるのは無理……)
・きれい好き5 社交的9 活発1 遊び好き5 快活9
佐田家家のお嬢様。
両親にとっては老齢期直前に出来た子供なので、大切に育てられてきました。
そのため、とっても甘えんぼで世間知らずな子になっちゃいました。
当面の夢は、素敵な人と出会って早く結婚することという、いかにも家族願望らしいもの。
■佐田家 麻美(さたけ まみ)
・ロマンス願望
・生涯願望:有名シェフになる(達成済み)
・きれい好き2 社交的6 活発3 遊び好き9 快活5
弘美ちゃんのお母さん。
独身で父親の違う三組の子供を産んだという、波乱万丈の人生の持ち主。
詳しくは「平和な日常」の「佐田家分家」を参照のこと。
生涯願望も叶えて、今は落ち着いた生活をしています。
■佐田家 透(さたけ とおる)
・知識願望
・生涯願望:院長になる(達成済み)
・きれい好き6 社交的1 活発6 遊び好き4 快活8
麻美ちゃんの弟で、佐田家分家の当主。
若いころもそうだったけど、年をとってますますやさしいおじいちゃんになりました。
掃除と修理の達人で、奥さんとは今でもラブ。
■佐田家 詩織(さたけ しおり)
・知識願望
・生涯願望:院長になる(達成済み)
・きれい好き6 社交的3 活発6 遊び好き4 快活6
透君のお嫁さん。
たいてい透君の傍にいます。
■佐田家 聖司(さたけ せいじ)
・知識願望
・生涯願望:マッドサイエンティストになる(達成済み)
・きれい好き6 社交的1 活発9 遊び好き7 快活6
佐田家分家跡取り。
どうもこの内気さは、両親譲りらしい。
職業柄、昼もお家にいます。
■佐田家 まどか
・財産願望
・生涯願望:5のトップレベルの商売を所有する(無理……)
・きれい好き6 社交的3 活発6 遊び好き4 快活6
聖司君のお嫁さん。
舅の透君ともとても仲がいい。
それもそのはず。彼女は透君の元になったシムを、そのまま女性にしただけのシム。
透君の遺伝子が聖司君に引き継がれなかったのが悔しくて作った子です。意外と美人で、驚き。
■佐田家 弥生(さたけ やよい)
・成長願望
・きれい好き10 社交的1 活発9 遊び好き7 快活1
聖司君の一人娘。
恐ろしいほどきれい好き。内気でそして、とっても気難しい。
プレイヤーの思惑を裏切り、肌は母親似だけど、顔はどうも全部父親似みたいです。
くそー。彼女の将来のお婿さんは決まったようなもんだな……。
■佐田家 カーラ(メス)
その優雅な立ち振る舞いは、佐田家分家の女王です。
でも、とっても人懐っこくてかわいい子。
■佐田家 ころ(オス)
ラブラドールレトリーバーとシェルティの混血という雑種。
どうも耳だけがシェルティに似たようです。
弘美ちゃんを主人と認めて、彼女が大学から帰ってくるまでずっと健気に待っていました。
■佐田家 ぴっけ(性別不明)
弘美ちゃんが大学の寮で飼っていた鳥。
卒業して一緒に家に持って帰りました。
カーラに食べられないか心配。
以上のメンバーでいきたいと思います。
といっても、多分弘美ちゃんがメインで他の人はあまり出てこないかも。
お次は、家紹介。
外観はこんな感じ。
家を作るのに力尽きて、庭まで手が回りませんでした。
一階は、ダイニング、キッチン、居間1、居間2と弥生ちゃんの部屋。
2階は麻美ちゃんの寝室、透君夫妻の寝室、聖司君夫妻の寝室。
階段ホールにビリヤード台。
運動器具を置いただけで、ほとんど使っていない部屋も。
屋根裏部屋。
弘美ちゃんの寝室です。
屋根裏部屋を作るのが夢でした。
大家族を想定して作ったので、部屋数も多くてそれなりに快適です。
このまま代々家を引き継いでいけるとうれしいです。
2007
「ママ、ただいま!」
「弘美!」
大学に行っていた弘美ちゃんが、卒業して帰ってきました。
麻美ちゃん、大喜びでかわいい末娘を迎えます。
「弘美……。いつの間に、こんなに立派に成長して!」
本当に、ついこの間までお下げ髪を揺らしてパパと一緒に走り回っていたのにね
時の流れをひしひしと感じます。
麻美ちゃんも年をとりました。
ねぇ、弘美ちゃん?
「えへえへ、ママ……」
ひろ……。
この顔は見なかったことにしときましょう。
さあ、感動の再会はこの辺にして。
「弘美、それにしてもすごい格好ねぇ。今すぐにでも新しい洋服を買ってこなくちゃ!」
「うん。そうするわ」
早速自家用車で買い物に出かける弘美ちゃん。
「うわー、すごい車! ぶつけたりしたら大変だわー」
なにしろ、麻美ちゃんや透君夫妻はキャリアを極めていますから、お金持ちです。
当然車もお高いものに。
一応、透君の車なんですけどね。
洋服を買ってきたので、すぐにお着替え。
タンスをあさっていると、麻美ちゃんが若いころ着ていた下着が出てきましたよ。
「うへー! ママったら、こんなの着てたのー!?」
似合ってなかったけどね。
弘美ちゃんも似合わないから、もっと可愛いのを着ときなさい。
夜が明けて、弘美ちゃんは早速家の裏手にあるパパのお墓のところまで行きました。
「パパ、私帰ってきたよ……」
しばしの間、思い出にふける弘美ちゃん。
でも、寂しくなんかないよ。
こうしてここにお墓をおいといたら、もしかして、今夜あたり出会えるかも。
感慨に浸った後は、元気に遊びましょう!
弘美ちゃん、ダイブ!
「うわー! この家、プール作ったんだー!!」
バッチョーン!
腹打ち!
「私も行くわよー!」
麻美ちゃんも華麗にジャンプ!
まだまだ若いですね!
あ……、カーラがころのえさを食べてる……。
佐田家分家の女王の所業に、ただ見ているしかない気弱なころ。
プールでひとしきり遊んだ後は。
「今日は弘美の卒業お祝いに、皆でご飯を食べに行きましょう」
「うわー! ママ、ありがとう!」
やってきたのは高級レストラン「ロンドステ」
あれ? 詩織さんも一緒に呼んだはずなのに来てないや。
しょうがない。三人だけでお祝いしましょう。
「それでは、弘美の大学卒業と成人を祝って……」
「「「かんぱーい!」」」
「おめでとう、弘美ちゃん」
「ありがとう、叔父さん!」
メニューは三人とも同じ「ライム風海老のたたき」
家族と食べる食事はおいしいですね。
話も弾みます。
大学では樹君に振り回されっぱなしだった弘美ちゃん。
それも今になってみれば、まあいい思い出かもしれません。
一方そのころのロンドステ近郊。
あっ! 吸血鬼が!
出会いサービスのおばちゃんを吸血鬼にしちゃ困るよ! ウェンディ伯爵夫人!
ああもう!
そういえば、モティマーさんも吸血鬼にされていたっけ。
これ、治すのどうするんでしょうねぇ。考えなきゃ。
話を戻して。
食事の後は、透君に行きつけのバーに連れて行ってもらいました。
弘美ちゃん、もうお酒が飲めるもんね。
「まさか、弘美と一緒にお酒が飲めるなんて、思いもしなかったわ」
「やだなぁ、ママったら。いつまでも子ども扱いなんだから」
世間ずれしてない弘美ちゃんは、まだ子供みたいなもんですよ。
まあ、親からすれば子供はいつまでも子供のままなんでしょう。
透君、なにやら向こうにかっこよくウィンク!
決まってますね!
でも、向こうに誰がいるんですか?
さらに。
麻美ちゃんが頼んだカクテルを、他のお客さんが横取り。
「あっ……」
そしてわざわざ目の前で飲む。
それは何に対する嫌がらせですか?
「私のとられちゃったから、頂戴ね」
「えっ……?」
麻美ちゃんも、透君のを取る。
最後にちょっと邪魔が入りましたが、楽しい外食でした。
「帰りは私が運転するわね」
「安全運転でお願いね」
自宅に帰ると、愛犬が鏡に向かって唸っていました。
ころ、それ自分自身の姿だよ……。
2007
「皆乗った? それじゃあ出発よ!」
今日は麻美ちゃん、子供達全員を誘って、お食事です。
こうして子供達全員を集めるのは、初めてのことなのかもしれません。
弘美ちゃんが生まれたときにはもう、他の子供達は成人して独立してましたからね。
弘美ちゃんも、兄弟全部と仲がよいわけではありません。
小さい頃に会ったことがあるだけで、それからほとんど口を利いていない兄弟もいるのです。
今回の外出は、麻美ちゃんだけではなく弘美ちゃんのためでもあるのです。
「私、ちゃんとおしゃべりしたのって、麻緒お姉ちゃんとくらいかなぁ」
麻緒ちゃんは、同じ父親を持つ姉妹ですもんね。
麻美ちゃんの子供達には、後二人の男の子がいます。
長男の素直君と次男の麻耶君。
ともに父親の違う異父兄弟です。
麻美ちゃんのこれまでの人生については、前サイト「平和な日常」を参照のこと。
あ……。
サボ恵が来てる。
偶然?
さて、皆席に着きました。
麻美ちゃんはシェフサラダが食べたいようですが。
ごめんね。もう皆にフィレステーキを頼んじゃったよ。
四人のかわいい子供達に囲まれた麻美ちゃん。
奥が素直君。手前が麻耶君。
麻耶君、今日は珍しく笑顔ですね。
こちらが麻緒ちゃん。
弘美ちゃんの、血を分けた実の姉。
そして、弘美ちゃん。
麻美ちゃんの人生もいろいろありましたが、立派に育った四人の子供達に囲まれて、こうして食事が出来るのはとても誇らしいことです。
さあ、ステーキが来ました。
「さすがロンドステ! いい肉使ってる! はぐはぐ」
「このソースがまたいい! がつがつ」
「おいしい! もがもが」
「がふがふ」
麻緒ちゃん以外全員犬食いかよ!
さすが、この母にしてこの子供達。
いきなり料理に手をつけてしまいましたが、これを忘れちゃいけません。
せっかく家族みんなが集まったんだから。
さあ、長子麻緒ちゃん、音頭をとって。
「私たちの大好きなママに……」
「私のかわいい子供達に……」
「「 乾杯! 」」
なんだか皆……、
同じ顔して飲むんですね。
同じ血を引いてるからかなぁ。
なぜか麻緒ちゃんだけマイナスを出す。
なんで!?
虫の居所が悪いんでしょうか。
彼女も本当なら犬食いをするはずなのですが、終始こんな風にお行儀よく食べていました。
高級な店だから、緊張してるのか。
ところで圭志君。
一緒に座りたいなら、座ってもいいんだよ。
そんなところにじっと立ってないでさ。
「お料理おいしかったねー」
「また皆で食べに行きたいわね」
「行こう行こう!」
お食事を終えて、みんなで帰宅。
お家に帰ったら、弘美ちゃんのパパのお墓の前で記念写真をパチリ。
ちょっとおどけていいお顔。
むむっ、負けずにこっちもいいお顔!
さて、弘美ちゃん。
ちょっと気が早いですが、彼女のために麻美ちゃんが買ったウエディングドレスを試着してみました。
今日は特別です。
「似合ってる?」
「とっても似合ってるわよ、弘美!」
この子が本当にお嫁に行ってしまう日まで、時間があればいいのに……。
口には出さないけれど、そっとそう思う麻美ちゃん。
弘美ちゃん、本当にきれいです。
せっかくだから、いとこの聖司君に今の姿をしっかり残してもらいました。
「お嫁に行ったときに描けばいいと思うけど。これが最初で最後なんてことにならなきゃいいけどねー」
「大丈夫! 私はちゃんとお嫁にいけますっ!」
2007
「ブーン、ババババ! キィーン……」
弥生ちゃんのロボットで遊ぶ弘美ちゃん。
そんなので遊んでるから、麻美ちゃんにいつまでも子ども扱いされるんですよ!
ちなみに、カーラはちゃんとトイレでおしっこする猫です。
彼女を買って来たその日のうちにしつけました。
なので、猫砂は置いていません。
掃除の手間が省けてとっても楽!
「ころー! ころや!」
お風呂場で愛犬を呼ぶ麻美ちゃん。
「くさくなってきたから、きれいにしようねー」
ころはお風呂。
犬のお世話って、猫より大変ですね。
「はい、きれいになりました」
入浴中、ちゃんといい子にしてくれました。
中には、嫌がって途中で逃げちゃう子もいるんですよね。
ころはおとなしい性格みたいです。
ころをお風呂に入れた後は、おやつの時間です。
元有名シェフの麻美ちゃんが作ったミルフィーユ。おいしそうです!
お客さんも呼びました。
こちらは麻美ちゃんの元恋人、素也君。
こっちは大学時代からの親友、圭志君。
大学時代からの仲間も、今じゃ彼らだけになってしまいました。
年はとりたくないものですね。
家族も呼びました。
こちらは麻美ちゃんの妹、美香ちゃん。
同じく弟の、翔君。
皆、いい年になりました。
もちろん、末の妹の晴美ちゃんもご招待。
皆でおやつを食べましょう。
麻美ちゃんの子供達も呼んでいます。
麻緒ちゃんは圭志君と家族のキス。
叔父と姪の関係ですが、麻緒ちゃんにとっては圭志君は父親も同然です。
麻緒ちゃん、お父さんが三人いたようなものだったからね。
今じゃもう、残っているのは圭志君だけ。
皆で麻美ちゃんのミルフィーユを食べます。
なんか関係ないのが混ざってるな……。
いつの間に上がりこんできたんだろう(茶髪の男)。
まあいいけど。
弘美ちゃんのピアノを聴く麻美ちゃんと麻緒ちゃん。
「ママの家系って、大家族なのね! 兄弟が四人でしょ。子供も四人でしょ」
「旦那さんは三人もいるしね」
「あは! ママったら!」
「翔、この間あんたのところでやったホームコンサート、よかったわよー」
「喜んでもらえてうれしいよ。この年になってようやくやりたいことが見えてきたんだ。若いころより元気なくらいだよ」
あ……。
素也君が晴美ちゃんを泣かしてる。
どうやら晴美ちゃんに電気ブザーのいたずらをしたようで。
内気さMaxな性格だった素也君も、年をとって変わったんでしょうか。
日が暮れてきたので、晩御飯も用意しました。
麻美ちゃんと弘美ちゃんは相変わらずのがつ食い。
麻美ちゃんのほおばった顔も健在。
「もぎゅもぎゅ、おいしー!」
あ、麻緒ちゃんが……。
食事中に睡魔でダウン。
「お姉ちゃん。おでこに型がついちゃうよー」
かわいそうだったので、この後弘美ちゃんにたたき起こしてもらいました。
その日の晩は、弘美ちゃんと麻美ちゃんは一緒に寝ました。
楽しい家族や仲間達。
麻美ちゃんにとって、彼らとの別れはとても一日だけじゃ足りません。
そう。もうお迎えの日が近いのです。
2007
麻美ちゃんが、朝風呂に入ったっきりなかなか出てこないので、お風呂場をちょっと覗いてみたら……。
遊んでいました。
「漕げや漕げー! よ~そろ~!」
「はっぷはっぷ。お頭~! 待って下せー!」
海賊ごっこ?
「宝島が見えたぞー! おも~か~じいっぱ~い!」
麻美ちゃんも、あまり弘美ちゃんのことを子ども扱いできませんよ!
弘美ちゃんたちは食堂で朝食。
カーラところが、なにやらものほしそうにしています。
君達のご飯はちゃんとあげてるでしょ。
さて、今回はさようなら麻美ちゃんスペシャル。
「ええ!? 私がさようなら!?」
だって仕方がないもの。
麻美ちゃんの年齢メーターが一杯になっちゃった……。
前日のように、たくさんの家族や友人達を呼びました。
弘美ちゃんは素也君とおしゃべり。
弘美ちゃん覚えているかなぁ。
赤ちゃんの頃、素也君に抱っこしてもらったことがあるんだよ。
「素直! サーボロボットと婚約したのはもう仕方がないわ! 自分の信じる道を行きなさい。幸せになってね!」
「母さん! ありがとう」
麻美ちゃん、一番心配させてくれた息子と抱擁。
「美里!」
「麻美! お互い年をとったわね。でもいつまでも私たちは親友よ」
皆と挨拶を取り交わす中、麻美ちゃんの動きがはたと止まりました。
ぴっけとおしゃべりしている弘美ちゃんを、この腕に抱こうとしていた矢先のことでした。
「ああ……。もう時間だわ……」
「お迎えが来ちゃった……」
「えっ! 嫌だよ、ママッ!!」
弘美ちゃんの悲痛な叫び。
ころも悲しげに鳴きます。
「ワオーン……!」
「やだやだ!! ママ、いっちゃやだっ!! うわぁぁぁん!!!」
すっかり子供にかえった弘美ちゃん。
泣き叫びます。
「ねぇ、せめて弘美がお嫁に行くまで……。だめ?」
「だめですよ。あなたの時間はもう尽きてしまったんです」
「ほら、もう旅の準備はできています」
「あらま! ほんと!」
「先に行ったお友達の皆さんも待っていますよ。さあ」
死神が差し出す南国ジュースを受け取った麻美ちゃん。
「色々名残惜しいけど……。仕方ないわね……」
そして旅行かばんを手に取り……、
永遠のバカンスへと旅立っていきました。
「麻緒や! 弘美や弟達を頼んだわよ!」
「にゃーん!」
カーラも長鳴きしています。
というか、死神に驚いているだけな気も……。
「麻美姉さん……」
晴美ちゃん、弘美ちゃんのこと気にかけてあげてね。
ともに親が年をとってからの子供という、あなたと似たような境遇の子だから。
一斉に出る、「死んだ」マーク。
うわっ、真っ赤!
麻緒ちゃんも静かに母の死を受け止めます。
「長女だから、私がしっかりしないと!」
かつては一児の子をもうけた仲。
素也君は麻美ちゃんの死に何を思うのでしょうか。
「あぁぁぁぁぁぁんっ!! ままぁーー!!!」
麻美ちゃんの死を受け止めきれない弘美ちゃん。
本当に大切に育てられてきましたからねぇ。
受け止めきれない人はここにも一人。
「ママーッ! うわーーん!!」
素直君、ついつい子供の頃の呼び方が出てしまいました。
一方カーラは。
なにやら圭志君に何かたくらんでいる様子だ。この顔は。
ひとしきり泣いた後、悲しみからさめる人々。
早いな、おい!
弘美ちゃんは……。
あ、放心してる。
ショックが大きすぎたか。
麻美ちゃんのお墓は、恋人の弘君の隣に設置されました。
彼女の人生には、本当にいろいろなことがありました。
生涯結婚はしなかった麻美ちゃん。
それでも四人の子供達に恵まれ、充実した人生でした。
麻美ちゃん、おやすみなさい。
「ころ~……」
「わおん」
悲しみが大きいときは、こんな風にただ黙って動物と触れ合うのがいいんです。
いっぱい泣いた後は、いっぱい食べなきゃね。
詩織さんに腕によりをかけて、おいしい夕ご飯を作ってもらいました。
麻美ちゃんの子供達も、それぞれに悲しみを癒し、
弘美ちゃんもまた、少しずつこの事実を受け入れていくのでしょう。
「私が小さい頃は、ママとよくこんな風に座って、おしゃべりをしたものです」
「そう。そうなの」
「弘美、元気出してね」
「うん……。お姉ちゃん、今日は泊まって行ってくれる?」
「いいわよ」
その日の晩は、弘美ちゃんは麻緒ちゃんと、ママのベッドで寝ました。
二人の姪を心配してか、翔君が静かに様子を見守っていました。
明日から、新しい日常が始まります……
一方その頃。
庭で三十分くらい固まっている人物が一人。
晴美ちゃん。
怖いなら、飛び込まなくてもいいんだよ!