2007
まだ夜も明けきらぬ早朝。
基本的に眠たいときに寝て、起きたい時に起きるペット達には、朝夜関係ないんですが。
マックス……。猫用のかごで寝てるよ。
ぽみはちゃんと犬小屋で寝てました。
目を開けたまま。
ジジ(プラスチックせいひーん!!!)
あっ! ジジがゴミ箱を破壊中!
熟睡していた裕也君をたたき起こしました。
「だからー、爪とぎ台を使いなさいって言ったでしょ!」
ジジ(僕、これが初犯なんですけど……)
ちゃんと爪とぎ台を使っていたスイフトは、すかさず褒めておきます。
「いい子いい子」
ひずめで、頭をぐりぐりやっているようにしか見えませんが。
「……変な時間に起こされたから、もう眠れない……」
裕也君の一日が、強制的に始まりました。
するべきことはたくさんあります。
まずは、お茶の間の水溜りをお掃除。
ジジ(それ、僕じゃないからね)
多分、ぽみかラグでしょう。
猫達はちゃんと猫砂を使うはずですから。
それが終わったら、ペット達の餌の補充。
ペット達が四六時中家にいられても、こっちが大変なので、早速仕事につけることにしました。
家計もひっ迫している事ですし。
マックスとリリをショービジネス。
ぽみとジジをサービス。
ラグとスイフトをセキュリティの仕事につけました。
ペット達にはしっかり稼いでもらいましょう!
裕也君は、専業主夫です。
仕事を見つけてやった後は、家事の続き。
ペット用のベッドをお掃除です。
まだ夜は明けません。
日が昇って、ようやくペット達のお世話もひと段落。
やっとこさ、裕也君の朝食タイムです。
「オッムレッツ、オッムレッツ♪」
「あいたっ」
指を、というかひづめを切りました。
裕也君のお料理スキル、そんなに高くないです。
あ……。
庭に穴。いつのまに。
暗いうちはなかったぞ。
穴に気を取られていたら、オムレツを焦がしました。
最悪です。
「僕の朝ごはんが……」
スイフト(おまえ、やせっぽちだなぁ)
ジジ(スリムと言ってほしいんだもんね!)
お取り込み中のところ、悪いんですが……。
お仕事で昇進してもらうため、ジジには早速お手の訓練です。
「いい? お手って言ったら、手をこうやって出すんだよ」
ジジ(?)
ジジ(ご主人。何でこんなこと、しなくちゃいけないんですか)
「はいお手。おーて!」
飼い主の心飼い猫知らず。
ジジ(猫にお手なんて、ナンセンス!)
「おーて! ほら、お手ってば!」
熱心そうな裕也君に対し、ジジは終始さめた目です。
その頃お茶の間では……!
ぽみ、現行犯だぞ。
今朝の水溜りは、ぽみのおしっこか!!
すぐに教育的指導、と行きたいところですが、裕也君はジジに芸を仕込み中。
手を離せません。
おしっこをしたぽみ、とことこと裕也君の所にやって来ました。
ぽみ(ごしゅじーん。遊んでなの)
「おーて! だからお手っ!」
ジジ(し~ん)
裕也君は今忙しいんだよ、ぽみ。
でも折角ぽみの方から来てくれたことですし、ジジとのお稽古を中断して、
「こら! お茶の間でおしっこをしたらダメだろ!」
教育的指導です。
ぽみ(しゅーん……)
ジジ(怒られてやーんの)
またジジとのお稽古に戻ります。
ぽみ、裕也君に構ってほしいのか、なかなかそばを離れません。
ジジがお手をできるようになったら、遊んであげるからね。
あ……。
庭の穴が増えてる。
埋め戻すの、面倒だなぁ。
裕也君の仕事が増えました。
マックス(そこ、僕の場所……)
スイフト(まあ、そんなかたいこといいなさんなよ、旦那)
裕也君、お夕食。
「また焦がした……」
今日は、焦げたものしか食べられませんでした。
ぽみが臭ってきたので、お風呂に入れます。
ぽみ(やっとご主人に構ってもらえるのーん!)
「ほら、じっとして」
「ふー、やれやれ。やっと寝れる」
朝は暗いうちから起きたので、夜の七時には体力はレッドゾーン。
ペット達のお世話と、自分の生命維持行為だけで一日が終わってしまいました。
当分、こんな生活が続くんですね。
……がんばれ! 裕也君!
2007
猫用のベッドをちゃんと用意しているはずなのに、玄関前で寝ているスイフト。
そんなところにいると、踏んづけられるよ!
あっ、ぽみがちゃんと外でおしっこした!
裕也君をたたき起こして、すかさず褒めてもらいます。
そして、昨日に引き続き今日も、暗いうちに裕也君の一日が始まりました。
リリ(こちらの方、激しく臭ってますわ! 信じられませんわ!)
ああ、そういえばラグも、衛生値がやばいことになっていたっけ。
今日は風呂に入れてやらないとダメですね。
夜が明けました。
リリ、なぜか興奮して走り回り、頭に星を回しています。
どうしたんでしょう。
リリ(走りすぎて、酔いましたーん……)
異臭を発するラグ。
あああ、早く風呂に入れてあげなきゃ。
穴も早く埋めなきゃ。
裕也君、早く起きてくれ。
今日も君のお仕事がいっぱい待っている!
「うーん。二度寝したら、起きるのがつらいー……」
裕也君の居間に新しい水溜り。
犯人は誰だろう。
どうも、ラグじゃないかという気がするのですが。
ペット達のしつけに芸のお稽古、全部を裕也君一人でやるのはきついので、助っ人を頼みました。
ペットトレーナーさんです!
ペット達の芸の仕込みを担当してもらうことにしました。
「これで僕は家の後始末に集中できるー」
昨日の穴を、埋め戻し。
穴の犯人は、マックスだったようです。
しつけ……、できてなかったよ……。
「さあ、ぽみ。お手の訓練しよーね」
ぽみ(お手って何なの、ご主人。それおいしいのなの?)
ラグの訓練をペットトレーナーさんに任せ、裕也君はぽみの訓練です。
「いい? こうやって、手を出すんだよ」
ぽみ(?)
ジジ(君も、お手とかいうのをやらされてるの? たいへんだね)
「はい、お手! おーて!」
ぽみ(お手って、食べ物じゃないのなの?)
ジジ(ご主人に付き合うのも大変だよね)
「ほら、こうやって手を出すんでしょ!」
ぽみ(よく分かんないのなの)
ジジ(ま、頑張ってよねー)
ラグも順調に「待て」の訓練です。
「待てと言ったらストップよー。そのまま、そのまま……」
ラグ(待てといわれても、情熱的な俺は止まっちゃいられないぜぃ、お嬢さん!)
スイフト(いい寝床見っけ!)
ああ、裕也君のベッドがとられてしまいました!
ここは厳しく叱っておきます。
ベッドを取られちゃったら、裕也君の寝るところがなくなっちゃいますからね。
「ここのベットは、僕のなの! ペットにはちゃんとかごを用意してあるでしょ!」
スイフト(ご主人がペット用のかごに寝るってんじゃ、だめなんですかね……)
ラグの訓練が終わったようなので、お風呂に入れます。
いい加減臭ってましたもんね。
ラグ(俺は、別段気にもしてなかったぜぃ)
他のペット達は気にしてました。
特に猫達。
ジジ(ふにゃにゃ-。お星様キラキラ)
ジジも、走り回って星を回してました。
星を回したジジ。
通りすがりのお姉さんに構ってもらおうとして、あっさり拒否られたようです。
「どこの野良猫かしら」
ジジ(愛想のない人……)
「ふんふーん。お昼ごはん♪」
ペットトレーナーのおかげで、今日はお昼ご飯を食べるなんて暇ができました。
料金はちょっと高めですが、雇ってよかった。
ジジ(ご主人の食べてるものの方が、おいしそうだなー)
料理の間、ずっとジジが見ていました。
でも、カウンターの上に座るのは……。
そこ食べ物置くところだし。
マックスとリリが、ショービジネスの仕事から帰ってきました。
芸をすべて習得しているマックスは、早速エキストラから代役に昇進です。
マックス(ま、僕の実力の賜物ってね)
リリ(あたくしも未来の大女優を目指して、おしゃれに気を使わなくてはいけませんわ)
リリは帰ってくるなりすぐに毛づくろいです。
昼食を終えた裕也君。
ジジ(ねえ、抱っこして)
「よいしょっと。ジジは軽いなー」
ジジ(いつもと違う世界が見える)
思わず頬ずり。
ジジ(うぷ! く、くるちい……)
ジジが着ぐるみに埋まってます。
ここ二日間、ペットとしか交流してなかったので、たまには人と話をしなければいけません。
携帯で、しばし母親とおしゃべり。
(裕也ー、ちゃんとご飯食べてるー?)
「んー。今日はお昼ご飯をちゃんと食べれたよ」
電話の後は、マックスをお風呂に入れてあげます。
「犬も猫みたいに、自分で自分を綺麗にしてくれたらなぁ」
夕方には、ラグとスイフトが覗き防止のお仕事に出発。
待てを習得したラグは、もしかしたら昇進して帰ってくるかもしれません。
「お仕事が終わりましたよ。次は何をしたらいいですか?」
ペットトレーナーさん、風呂場に乱入。
「後にしてくださいよ……」
日が暮れて。
愛犬マックスと、優雅な夜を楽しむ裕也君。
「今日はテレビを見ちゃうような余裕があるよ」
マックス(まったりー)
しばらくして、マックスが外に出たと思ったら。
リリ(何か?)
マックスの行動アイコン「挑戦する!」が。
リリ(未来の大女優に挑戦するだなんて、いい度胸だわよ! シャー!!)
マックス(はい、すいません……)
速攻で負けるマックス。
おいおい、君の方が体も大きいのに……!
マックス(すごすご……)
リリ(つーん!)
こらこら二人とも。
仲良く、ね。
2007
朝です。
目覚めたかなた君、隣に弘美ちゃんがいないことに気がつきました。
「もう、起きてるのかな?」
しかし、家の中のどこを探しても、弘美ちゃんはいません。
ころもいなくなっているようです。恐らく弘美ちゃんについて行ったのでしょう。
かわりに、大学に行った弥生ちゃんが、お婿さんを連れて帰ってきていました。
弥生ちゃんに、ほのかな恋心を抱いていたかなた君。
彼の淡い思いもすっぱり終止符をうちました。
「ぱーぱ。みゆくー!」
弘美ちゃんの姿が見えないのを気にするかなた君ですが、子供達のお世話があります。
探しに行く時間はなさそう。
パパにミルクをもらった遥ちゃん。
ごくごくちゅっちゅ
「……?」
何かに気づいたようです。
「まーま?」
「はい、かなたさん。真美ちゃんが泣いていましたよ」
「ああ、すみません」
弘美ちゃんはどこに行ったのでしょう。
心配を通り越して、怒りすらわいてくるかなた君です。
親がなくとも子は育つ。
今日はくしくも真美ちゃんの誕生日です。
聖司君、弥生ちゃんに、お婿さんの克彦さんを加えての四人でささやかにお祝いです。
真美ちゃん成長!!
ス、スキンヘッド!? タキシード!!?
衝撃の一瞬。
速攻で服と髪形を変えました。
うんうん。
これで女の子らしく見える。
真美ちゃんもどうやら、かなたさん似みたいですね。
成長した真美ちゃんには、早速あんよやおしゃべりの稽古です。
その前に、ちょっと遥ちゃんと遊ぶかなた君。
「ほーら、こしょこしょー」
「きゃーはは!」
「さーあ、おしゃべりのお稽古だよー」
「ぱー……」
「パパって言えるかな?」
「ぱぱ……」
「そうそうそうだよ! 真美はおしゃべりが上手だね!」
パパに相手にしてもらえない遥ちゃん。
おもちゃにも飽きて……。
「ねこたん!」
「ぎにゃー」
カーラ、すごい顔してます。
「かゎーいーの」
カーラ、しょうがねぇって顔のまま、耐えてます。
その日の晩、かなた君あることに気がつきました。
「そうだ。弘美の携帯に電話をかければいいんだ……」
そんな簡単なことに、なぜ気がつかなかったのでしょうか。
「バカみたい……」
2007
ある朝のこと。
「あら? 手紙が来てる」
「ピンクの封筒? ラブレター?」
「きゃー。どうしよう。誰からかしらっ!」
……それ、樹君に来た手紙なんですが。
樹君の玄関先には、もう一匹の影が。
ころ「くうーん(おやつ頂戴!)」
通行人「なにこの犬。耳の立ってるゴールデンレトリーバー!?」
通行人「変な犬!」
そのままスルーされる、ころ。
「うん。そうそう。だからさー……」
樹君が朝風呂のあと、女の子に電話をかけていると、いつの間にか背後にすごい笑顔で立っている人が。
弘美ちゃんです。
玄関に鍵かけてなかったのね。
「びっくりしたなぁ。ところで、こんな朝っぱらから、何の用?」
「なんのって……」
「どうしようっ!! 実は私、家出してきちゃったのよーうっ!! 今日は真美の誕生日だって言うのにー!!!」
「おおお、落ち着けって! とにかく、飯にしよう、飯」
「ぐすん……」
通り過ぎる弘美ちゃんのあとから、
「……犬? 犬も弘美について来たのか?」
そりゃあ、ころのご主人様は弘美ちゃんですから、ついて行くのは当たり前です。
って、こら!
おとなしく弘美ちゃんのあとをついていったと思ったら、すかさず破壊活動を始めました。
弘美ちゃんの家にいる間は、こんなことしない子だったのに!
住む環境が変わったから、ストレスでも感じていたんでしょうか。
色々やってるうちに、日が暮れました。
夕ご飯の支度です。
「で、何で家来たの? だんなと喧嘩でもしたの?」
「違うわ……」
「大学時代は、勉強で大変だったわよね」
なかなか本題に入らない弘美ちゃん。
「あのさ……」
「ええっと……。迷惑だったかな……」
「俺はこんな生き方してるから、別にいいんだけど。お前は違うんじゃないか?」
「そう思ってたんだけど……」
「ふーん。大学時代、私があげたバラの花束、寝室に飾ってくれてたのね」
「ああ。……俺はお前を思いとどまらせるべきかなぁ」
「どっちかって言うと、俺はあんまり厄介ごとは背負い込みたくない方だからな。分かってる?」
「いいわよ。厄介ごとはみんな私が引き受けるから」
「マジですか」
「あなたに会いたくて家出してきたのに、会うとどうも決心が鈍るって言うか。あなた、口を開くとろくな男じゃないわね。だまって突っ立ってるだけなら、まだましなのに」
「人のこと言えた義理かよ」
「そうね……」
さて翌日です。
弘美ちゃんに、携帯から電話がかかってきました。
夫のかなた君からです。
「ごごご、ごめんなさいっ。帰ります! すぐに帰りますぅ!!」
「え? 今どこにいるかって? えーとうーんと……」
「……大学時代の元彼の家……」
・・・
電話が切れました。
変なところで正直な弘美ちゃん。
電話をかけた直後のことです。
案の定……。
「うええ~。気持ち悪……」
弘美ちゃんが朝ごはんを作ろうとすると、ちょうど冷蔵庫の食材が切れていました。
なので、先に朝食をとっていた樹君の残り物を食べることに。
妊婦は下手すると、餓死の危険がありますから。
「あー。まいったなぁ。まいったなぁ……」
「もぐもぐ。まだそんなこと言ってんの?」
「私やっぱり、ママの娘だったんだわ。好きな人は好きだし。でも、結婚向きの性格じゃないわよね……。いまさら気づくなんて」
「……ほら、そこだ! シュートー!!」
樹君はスポーツ番組に逃避。
「今のうちに、物件を探しとこう……。でも、その前に、かなたさんと話さなきゃ」
電話で頼んだ食料が配達されてきました。
愛想のいい配達員、めちゃくちゃ笑顔です。
もっとも樹君は何もかも上の空ですが。
彼が台所の勝手口から家に入って、冷蔵庫に食料品をつめているうちに……、
弘美ちゃんが玄関から出て行ってしまいました。
「おい、ちょっと待てよ。どこに行くつもり?」
「帰る」
「ちょっとちょっと!」
慌てて後を追いかけますが、弘美ちゃんは振り返りもしません。
ころを連れて、弘美ちゃんは来たときと同じように、さっさと帰っていってしまいました。
直後に樹君に電話。
冨美枝さんからです。
すごいタイミング。
「今、取り込み中だったんですけど。え? 演奏ですか。今はそんな気分じゃないんですよ。店には飲みに行きたいんですけどね……」
その後、どうしても落ち着かない樹君。
家に仕事でやってきたメイドさんを、いつものように口説いてみました。
淡い恋心が点灯。
でも今日はなんだか虚しい……。
そのとき、なんとなくメイドさんのメイクが気になった樹君。
鏡台でメイクをしてあげました。
サービスシムなので、髪型はそのまま。
メイドのケイリーンさん、なかなかお綺麗になりました。
2007
真鈴ちゃんと花梨ちゃんが、それぞれお婿さんを連れて、大学から帰ってきました。
家族が増えるにあたって、お引越し。
前の家は、ちょっとプレイするのに勝手が悪かったので。
一階はこんな感じ。
2階はこんな感じ。
実際の建築を元に建ててみたので、かなり住み心地がいいです。
さあ、新居に着いたら早速結婚式です。
まずは真鈴ちゃんとサトル君から。
「もうこれで、浮気とかはできなくなるね」
「うっ!」
ロマンス願望の真鈴ちゃん、とうとう年貢の納め時のようです。
ゲストには、お婿さん側の親族。
それから、大学時代の友達も呼びました。
サトル君の友達、牛やラマやゾンビ達も呼んだのですが……。
ラマや牛達、フォーマルに着替えると着ぐるみは脱いじゃうんですね。
残念です。
「ねーねー。子供が生まれたら、浮気をやめるってのはどう?」
「だめ。今からやめなさい」
往生際の悪い真鈴ちゃん。
家族願望にでも変身するしかないですかねぇ。
でも、家族的な真鈴ちゃんというのも、想像しづらいですが。
結婚式そっちのけでブランコをする、ゾンビと花梨ちゃんのお婿さん。
次は君が結婚する番なのに。
ロマンス願望にとって、結婚は悪い思い出らしい……。
束縛を嫌う生き方ですからねぇ。
結婚式を挙げた真鈴ちゃん。
そのままケーキカットに進みます。
ちゃんと、フォークで食べさせてあげました。
だらしない性格の彼女ですから、てっきりケーキわしづかみで口の中にねじ込むとばかり思っていました。
意外。
どういう基準で、フォークを使うのか使わないのかが、決まっているんでしょうね。
ケーキがみんなに配られて、食堂で皆と食べることに。
見知らぬ顔のゲスト達は、きっとラマや牛の中の人ですね。
家の前をたまたま通りかかった人も、なぜかケーキを食べにきていました。
ゲスト達がケーキを食べるのに忙しい頃、花梨ちゃんの結婚式が始まりました。
ゲスト達もぞろぞろ家の中から出てきます。
花婿の真治君も当然やってきましたが、なにやら難しいお顔。
ようやくアーチのところにやってきたと思ったら……。
なんですか! そのフォーマル衣装は!
どうやら、フォーマル服の設定を忘れていたようです。
生涯最大の晴れの席で、こんなアンバランスな服装になってしまいました……。
「さ、指輪交換ですの」
服装はともかく、結婚式の始まりです。
ところが。
真治君、険しい顔。
「やだ! 俺、結婚したくない!」
「えっ!?」
真治君、土壇場で結婚破棄!
そうです。実は真治君、花梨ちゃんに対して激怒状態になっていたのです。
大学卒業パーティーのとき、真治君は花梨ちゃんの浮気の現場を見ていましたから。
「俺、まだあのときのこと、怒ってんだからな! 花梨が一生浮気しないって分かるまで、絶対に結婚しないからな!」
「……」
「そーゆーことだから」
真治君、この顔です。
さっさとブランコの方へ、遊びに行ってしまいました。
シムってどうしてこんなにブランコが好きなんだ……。
「しゅーん……」
さすがの花梨ちゃんも、これは大打撃。
挙句の果てに、花梨ちゃんも真治君に対して激怒状態になってしまいました。
「ううっ。完全な恥さらし者になってしまいましたの! この借りはきっと返す……ですの!」
いや、これ以上二人の間の溝を広げず、修復する方に躍起になってくださいよ。
翌日、お父さんのブランコを押してあげながら、一考する花梨ちゃん。
とりあえずは、真治君と話し合ってみるのがいいかもしれません。
「昨日のご破談結婚式、今頃プリーザントビュー中のうわさになっているだろうなー……」
「私は構いませんの! いつかきっと、真治君と結婚して見せますの!」
「これだけ苦い薬を飲ませとけば、花梨ももうちょっと大人しくなるだろうな。……なってくれるといいんだけど」
真治君には真治君なりの考えが……あると思いたい。
みんなで朝ごはん。
「大事なものは、金庫に入れて鍵かけとかなくちゃダメよ」
サトル君に防犯の必要性を語るお母さん。
子供達が大学から帰ってくるときに、どっさりお金を持って帰ってくれたので、河内家は一気にお金持ちになったのです。
前は飼い犬のマックスにさえ、養ってもらっていた体たらくだったというのに。
マックスは、裕也君が引き取っていきました。
一方、首尾よく結婚をした真鈴ちゃん。
「……できちゃったかも!?」
ロマンス願望は赤ちゃんができるのを恐れることもあるのですが、このときの花梨ちゃんにはその恐れは出ていませんでした。
「うわー。やっぱりだぁ。というか、この妊婦服の紫って、全然私に似合ってないよー」
ロマンス願望の彼女にとって、こんなに色気のない格好をしないといけないことの方が、大打撃かもしれません。